ストッカーの中に××? シリーズの今後は……。
今回の取材場所は吉祥寺にあるミステリ専門書店「TRICK+TRAP」。ここに「成風堂書店事件メモ」シリーズがずらりと並ぶ日もそう遠くはなさそう。 |
大崎さん:ネタは意外とあるんですよね。このあいだ東京創元社の営業さんと話したら「ストッカー(棚の下にある在庫を入れる引き出し)の中に死体が入っているというのはどうですか?」なんておっしゃってました(笑)。
ガイド:それは怖いかも(笑)。でも、確かに死体くらいは入りそうな大きさですね。
大崎さん:ストッカーの後ろに本が落ちたりするじゃないですか。それを拾おうとしたときに死体があったら……。想像しちゃうでしょう? まぁ、そのアイデアを使えるとしたらシリーズの最後かもしれませんけど。
ガイド:ということは、シリーズはこれからも続いていくんですね。楽しみです。次回作はどうなるんでしょうか?
大崎さん:次は長編を出す予定です。杏子と多絵が夏休みに地方の書店に行って、そこで起こる事件を解明します。地方が舞台で、幽霊が出てきて、鍾乳洞までは出てきませんけど、横溝正史みたいな小説を書くのが夢なんですよね。見立てものとか大好きなんです。私が書くとちがった感じになりそうですけど、マインドだけは横溝ということで(笑)。
大崎さんが語る書店の魅力とは?
ガイド:これからも書店を舞台に小説を書き続けるということですが、大崎さんは書店のどこがおもしろいと思われますか?大崎さん:毎日変化があるところでしょうか。仕事自体はルーティンワークなんですけれども、毎日ちがう本が入ってきて、流行も変わる。いつも売れない雑誌がその週だけは売れたり、急に問い合わせが増える本があったり、それに対応するのはたいへんなんですが、とてもおもしろかったですね。
ガイド:扱う商品の種類が多いから、世の中の動きがダイレクトに伝わってきますよね。そういえば本書の表紙も、書店に本が並んでいるような感じです。
大崎さん:これはデザイナーさんが書店の平台をイメージして考えてくださったんです。1冊1冊の表紙を見るとあることがわかるんですよ。
ガイド:並んでいるのはミステリ・フロンティアシリーズの表紙ですよね? あーっ、ほんとだ。これ、すごく凝っていますね。ぜんぜん気がつきませんでした。
大崎さん:じーっと見ていただくと、いろいろ発見があると思います。