侵入されてしまえば
「通帳と印鑑は別々に保管」?
しかし、そもそも、「通帳と印鑑は別々に保管」する必要性があるとしたら、なぜなのでしょうか? 「泥棒に入られたら」という前提がそこにはあります。「もし、泥棒に侵入されたら、通帳や印鑑は必ず盗まれるだろうから、別々に置いておくべき」という考え方は、泥棒に入られたときのことを考えてのことでしょう。
一緒に置こうが、別々に置こうが、侵入されてしまえば同じです。おそらく見つけ出されてしまうでしょうし、運よく隠し通せたとしても、侵入されたことに違いはありません。つまり、問題は、「侵入された後のことを考える」のではなく、「侵入されないようにする」ことなのです。侵入されてしまえば、盗まれても盗まれなくても、心理的ダメージは大きく、その上に現実の被害が重なるということなのです。
侵入されない防犯対策
「通帳と印鑑を別々に保管」というのは、侵入された場合に備えてのことですが、それよりも侵入されないように防犯対策をとることが優先事項だといえます。そんな手間をかけるより、泥棒に入られないようにしておけば、入られさえしなければ、通帳と印鑑を一緒にしておこうが、現金を置いておこうが、泥棒に盗まれることはないのです。泥棒はどこから侵入するでしょうか? 人が出入りできる場所から入ってきます。たとえ小さな窓であっても人が出入りできればそこは侵入口となります。我が家をよく見直して、開口部で人が出入りできる場所をすべて確認しましょう。そして、そこから泥棒が侵入できないように、何らかの対策をするべきです。
外から我が家をよく見て、どうやったら泥棒が侵入できるだろうか? を考えてみれば、どこが侵入口になりやすいか見えてくるはずです。その場所を重点的にガードすれば、泥棒を防ぐことができるようになります。もちろん、侵入されてしまう危険性はゼロにはならなくても、限りなくゼロに近くすることは可能だといえるでしょう。
後悔しないための対策
「防犯対策をしなくては」と何となく思っているだけで実行していない人は、できるだけ早く対策を施しましょう。不況の折柄、いつ、何が起こるか分からないのです。泥棒に入られてしまってから、「防犯対策をしておけばよかった……」と後悔しても遅いのです。少しでも不安を感じたら、すぐにも実行しましょう。「あのときああしておけば……」「ああもできた、こうもできた」と一生後悔することを思えば、一度設置してしまえば安全は確保できるのです。防犯グッズ、セキュリティ用品の設置というハードもさることながら、まずは、ソフトとしての心がまえを持つこと、それは後悔しないためにできることはしておこう、という事前の行動なのです。「通帳と印鑑」の保管について考えるより先にすべきことがあるということです。