損害保険/損害保険関連情報

自転車通勤のための保険入門

ここ何年かで自転車通勤をする人が増えたようです。高速で走る自転車は自動車と同じくらい危険をはらんでいますが、危機管理の意識が低いといわれています。今回は自転車通勤者へ送る保険についての最低限の知識です。

長島 良介

執筆者:長島 良介

生命保険ガイド

  • Comment Page Icon

増える自転車通勤

車や自転車で走っていると、多くの人が自転車で車道を走っています。平日の朝は鞄をしょってロードバイク(ママチャリとは異なるスピードが出て軽い自転車です)にまたがって、通勤する人を見かけるようになり、休日は、ツールドフランスにそのまま出られるのではないかといういでたちの皆さんが颯爽と走っているのを見かけることが増えました。

自転車は個人的にも好きです。燃料を使わず、かなりの長距離を短時間で移動できる最高の乗り物です。エコを語るなら車を手放して自転車で移動すべきだ!なんて考えているほど自転車には魅力があります。

しかし、こうした自転車通勤を含め、自転車は大きな危険をはらんでいます。車道を突っ走り、急ブレーキなどで転倒することも珍しくありません。出会いがしらでひやっとした経験を持っている人も少なくないでしょう。

このロードバイクという自転車は、頑張れば時速30キロは簡単に出ます。こんな自転車に乗っている人も含めて自転車に乗る前に加入しておきたい保険についてご案内しましょう。

相手に怪我をさせてしまう前に

自転車は走る凶器ともいえます。ちょっとの油断が人の命も奪うのです。不注意で怪我をさせてしまったとしても、それは車で人を引くのと同じくらい大きな罪の意識を背負い続けることになります。

自動車保険には必ず対人対物無制限という賠償責任保険が付いています。自転車の場合はどうでしょう。

相手への賠償を考えた保険

自転車の場合は、個人賠償責任保険(日常生活賠償責任保険ともいわれます)に加入していれば怪我をさせてしまったり、物を壊してしまったとき、自転車に乗っていた人の法的な過失の割合に応じて保険金として相手に賠償金を支払ってくれる保険です。

この保険は、単体での販売は行われていません。火災保険や、自動車保険、傷害保険などに特約でセットするようになっています。

マンションなどに住んでいる方が不動産屋さんから勧められた保険には、下の階への水漏れなどに備えて、この個人賠償責任保険がセットされている場合があります。よく「なんで火災保険に自転車での事故をカバーできる保険がついているんだ」と質問されますが、個人賠償責任保険とは第三者(同居の親族以外)への損害賠償が目的なので、どんな保険についていても同じなのです。

個人的には、自動車保険の特約での加入をお勧めします。自動車保険についている個人賠償責任保険は補償額が無制限であること、相手との示談交渉もセットされているものが多いのでまさかの時の強い味方になってくれます。

自動車保険も火災保険も加入していない方は、傷害保険に加入すると良いでしょう。後ほど説明しますが、自分の怪我も心配な自転車です。怪我をしたときの治療費をカバーしてくれる傷害保険にセットをするはとても自然ですね。

保険料はとても安く、1年間で1000円~1500円程度で特約として付帯できます。自転車通勤をする方には絶対に必要な保険です。

自分の怪我に備える

自分の怪我をカバーしてくれる保険は傷害保険です。この保険は単体での販売は行われていますがこれも、やはり自動車保険についている保険を利用することで負担を軽くできます。

自動車保険には人身傷害保険という怪我の保険が付いています。この保険は治療費の実費や、休業損害等、怪我をしたときの効率的にカバーしてくれる合理的な保険です。

そして、この保険には大抵「交通傷害担保」といって交通傷害保険と同等の補償範囲をもっています。交通傷害担保とは、文字通り交通事故に遭って怪我をしてしまった場合に保障されるわけです。もちろん自動車を運転していなくても、交通事故であればカバーされます。自転車乗りにとってはとても便利な保険です。

自動車保険に加入していない人は、交通傷害保険という単体で加入できる保険があります。こちらは怪我をしたら、通院1日いくら、入院1日いくらという形で保険金が支払われます。
なんだ医療保険と同じじゃないか、もう入っているよ。という方がいますが、一般に生命保険会社が販売している医療保険は、通院はカバーされていません。カバーされていても入院後に限定されてしまいます。

病気の場合は入院が多いかもしれませんが、怪我の場合はよほどの大けがでない限り入院はなく通院のみというケースが多いのではないでしょうか。

そんな時、交通傷害保険は通院1日当たりいくらでの補償ですから、まさかのときには役に立つでしょう。

高価な自転車はどうすれば・・・

ロードバイクは高いものでは100万円以上のものがあると聞きます。まさかそんな自転車をママチャリよろしく、家の前にポンと置いておく人はいないと思いますが、かなり厳重に警戒していても盗まれるときは盗まれてしまいます。

そんな時、加入中の火災保険に家財の保険が付いていればカバーされます。ただし、多くの保険は家の敷地の外に置いてあった場合はカバーされないので、家の前の道路におかずにきちんと敷地内に保管するようにしておくことも大事なリスク管理です。

保険に入っていることを思い出して下さい

自転車通勤のみならず、中学生や高校生の通学も見逃せません。今回ご案内した個人賠償責任保険や自動車保険の人身傷害保険は同居の親族もカバーしています。もし、自分の子どもが誰かに怪我を負わせてしまったり、子どもが大けがをしてしまった場合は今加入中の保険を引っ張り出してみてください。(自動車や火災の保険で相手に弁償できるなんて夢にも思っていなかったという人が意外と多いでのです。)

大切なのは気持ち

自転車での損害に対応する保険はざっとこのような形で各保険会社が扱っています。自動車保険に加入している場合はほぼ補償されている場合が多いことはおわかりいただけたと思います。ただし、保険は転ばぬ先の杖ではありません。杖は誰かに怪我をさせないという気持ちをもって運転することに尽きます。

それでは、環境のため、健康のため、自分の保険を把握してい楽しい自転車通勤生活を満喫してください。

【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/10/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます