キャバ嬢を演じる女優めいた覚悟
写真は永久欠番・瀬名今日子さんの著書『愛されの法則 キャバイブル』(イーハトーヴフロンティア刊) |
また、A店に由里というコがいて、後からいくら名前が売れている由里が入ってきても由里という名前は使えない。これは経歴や水商売歴に関係なく断行される、業界のルールでもある。
「ナンバーワンになって名前が売れると他の女のコも同じ名字、名前を使いたくなる。だから名前が似て来ちゃうっていうのはあるんですね。実際、未経験のコでも『Aさんに憧れているので同じ名前にしてください』ってケースは多いですよ」(前同)
ならば最新の名付けの事情も聞いてみたい。それに現在、流行している名前は何だろう。
「女のコにはまず、呼ばれて反応できる名前を聞きます。無ければ親友の名前だったり、そのコの出身地から拝借したり。県名だと露骨すぎるので市町村などから使えそうな名前を選びますね。名字は、例えばキャバクラ嬢っぽい名字がいいと言われれば姫条、白咲、一条、一ノ瀬など明らかにキャバクラで働いているっていう名前を何個か出してあげて、その中から名前と合うもので決めます。また名刺を作る場合、名前だけより名字があった方が安っぽくならない、という理由も。愛称ではなく、あくまで源氏名だからでしょうか」(去る4月にオープンしたばかりの吉祥寺のキャバクラ「glitter」代表)
源氏名はデザインであり、これからキャバ嬢という別人格を演じるという女優めいた覚悟、といったところか。
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ちなみにキャバクラの源氏名には、球界の永久欠番に見る「今後ふたりと存在しない源氏名」めいたものがある。それは伝説のキャバ嬢・青木瀬里奈さんに代表される、二階堂静香、瀬名今日子、浜崎ひとななど、かつての売れっ子キャバ嬢たちの源氏名。仮にこれらを踏襲したいコがいても店長は「その源氏名は使わない方がいいよ」と言い、店の先輩キャバ嬢も「名前負けするよ」とたしなめる。彼女たちを知る誰もが、さもありなんと納得するエピソードだろう。
事実、ボク、先の青木瀬里奈さんに取材等でお会いしたことがあるのだが、プライベートで一度だけお店に行って、随分と間が開いて約2年ぶりに再来した際「2年ぶりくらいですよね。前はクラブの話で盛り上がって....」などと指名すらしておらず、しかもわずか数分話しただけなのに当時を事細かに覚えていてくれて「なんて出来るキャバ嬢だ。この人は別格!」と感動すら覚えたものです。
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