拘置所より苦痛な120分

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座りっぱなしの120分でケツは痛くなるわ、足は痺れてくる。これなら家でDVDでも観たほうがマシ!? (※写真は拘置所のイメージ。)
学生の頃から無類のカルト映画好きだったボクは、デートで映画を見るたび、映画館で何度も苦杯を舐めさせられてきたある光景を思い出す。

他でもない。見たくもないハリウッド映画や恋愛モノのために、窮屈な座席でジッとさせられる苦痛の120分だ。誰がこんなルールを作ったのか、社会人になればデート代はすべてオトコ持ち。1人分ならまだしも、倍の値段を払わされ、あの狭い拘置所のような空間に隔離される。

トイレに行くのもはばかれ、隣で寝ようものならなぜか彼女はご立腹。おまけに肘掛けや他人との密着度のせいで、彼女とイチャイチャすら出来ない。特にオシャレなスポットでもなく、それこそ中学時代の恐い先生の授業のように居眠りも早弁もタブーな空間が、なぜああも人気のデートスポットとして根付いてしまったのかと。

せめて彼女をモノにできる期待感が欲しい

恐らく、こういうことなのだろう。女のコと2人で見る映画館は、圧倒的に女側寄りの都合のいいように演出された場所。館内は真っ暗で、フィルムのフラッシュが頬を照らしなぜか彼女の横顔がいつもより5割り増しに見えたりする。特に恋愛モノにおいて、彼女が涙でも流そうものなら、思わず抱きしめたくなるほど愛おしく映るものなのだ。ストーリーに全く興味がないボクたちは、映画に感情移入している純な姿に、コロリと騙されてしまうに違いない。

しかし、デートでの映画が悪だと言っているわけではない。むしろ意中の女のコとの映画鑑賞なら大歓迎だ。重要なのは、120分の拘束生活を強いられるという事実。せっかくの時間なのだから、オトコだって楽しみたい。暗闇に、周りを気にしなくてもいい2人きりの空間で、自由に食事ができたり手をつないだりときにはキスしたりと、女のコと親密になれるという期待感が欲しいのだ。

触れ合う手と手、気になる視線……彼女と映画館に行ったけど、ボクが見たのは彼女の横顔だけで内容なんて全然覚えてなーい。それなら思いっきり下心目線で映画館探し。「大切なのは何の映画を見るかじゃなくて、素敵な映画館で誰と見るかだろっ」「あまーい!! (スピードワゴン調)」

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