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2008年公開の名作映画ベスト10

2008年に日本で初公開された作品から、ガイドの趣味と独断で選んだBEST10をカウントダウンでお届けします。

執筆者:中野 豊

2008年に日本で初公開された作品から、ガイドの独断と趣味で選んだベスト10です。これから映画雑誌やHPの各媒体のベスト10が発表されると思いますので見比べていただいたり、参考にしていだだければ幸いです。

しかし近年、各映画祭も含めて年間千本もの作品が公開されると物理的に全てを観ることは不可能で、鑑賞作品は1/3にも及びません。故に自らチョイスし鑑賞した映画から好きな作品を選ぶ、年に一度の映画ファンのお祭りのように考えてもらえればと思います。

それでは、第10位からカウンドダウンでの発表です。

第10位:『結婚しようよ』
拓郎ファン必見!中年に勇気を与えるホームドラマ

結婚しようよ
スクリーンから流れる吉田拓郎の名曲の数々に悶絶
『結婚しようよ』
いきなり極めて個人的趣味の作品からのスタートです。俺の拓郎!ボクの青春!というわけで、映画の出来栄えを超えて、スクリーンから吉田拓郎の曲がかかるだけでもう降参!

70年代のフォークソング全盛期に青春期を謳歌し、今は平凡なサラリーマンとして家庭を生きがいに働く団塊世代の父・卓を主人公に、長女や次女、妻が徐々に自立していく中で起こる悲喜こもごもを描くホームドラマ。「夕食は一家皆でとるものだ」という保守思想のあのころの父親像……。父権崩壊と言われて久しい昨今、現在、今、これでいいのか?お父さん!「古い船を今動かせるのは、やっぱり古い水夫ではない」のでしょうか(感傷)。

[作品情報]
・2007年/日本映画/上映時間:120min
・監督:佐々部清
・出演:三宅裕司、真野響子、藤澤恵麻、AYAKO

第9位:『アイム・ノット・ゼア』
6人の豪華キャストが演じるボブ・ディラン伝説

アイム・ノット・ゼア
I'M NOT THERE
『アイム・ノット・ゼア』
吉田拓郎に最も影響与えたアーティストといえばボブ・ディランでしょう。10位の拓郎繋がりからの第9位はボブ・ディランの半生を映画化した、異色の伝記映画です。

何故異色かというと6人の俳優がそれぞれ別名でボブ・ディランを演じるのです。その6人は、貨物列車で放浪する幼少時代は黒人少年(ウディ役)、ディランがバンドを従え始めた時期を演じるケイト・ブランシェット(ジュード役)、流れ者ビリー・ザ・キッドとしてのディランを演じるのはリチャード・ギア(ビリー役)、プロテストシンガーとしてのディランを演じるクリスチャン・ベール(ジャック役)、映画スターとしてのディランを演じるヒース・レジャー(ロビー役)、そして詩人ランボーとしてのディランを演じるベン・ウィショー(アーサー役)。6人それぞれが多重人格者ボブ・ディランのある一面をみせます。生前のヒース・レジャーの姿、そしてディランの楽曲に涙し、ケイト・ブランシェットの演技に感動です。

[作品情報]
・2007年/アメリカ映画/上映時間:136min
・監督:トッド・ヘインズ
・出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー、ジュリアン・ムーア、シャルロット・ゲンズブール


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