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怪人・モンスター映画のセレクト10

ジャンル別セレクト10シリーズの今回は「怪人・モンスター映画」です。ドラキュラ、フランケンシュタイン+1の10作品をお届けします。

執筆者:中野 豊

文章:中野 豊(All About「名作映画」旧ガイド)
ジャンル別オールタイムのセレクト10シリーズ第5弾は「怪人・モンスター映画」から。「モンスター」と言っても、シャーリーズ・セロン主演映画やピンクレディーの歌ではありません(笑)。

大枠では「恐怖映画」のジャンルに入りますが、怪人・モンスター映画は何故かB級映画扱いされる悲しき定めを背負っているように感じます。そこで今回は、怪人・モンスター(除く巨大怪物・怪獣)映画にスポットを当て、映画史に埋もれそうな快作を掘り起こしてみます。

怪人・モンスターには、狼男、透明人間、ミイラ男、ハエ男、半魚人など有名人?はたくさん居ますが、「ヴァンパイア映画」と「フランケンシュタイン博士のモンスター映画」に秀作が多く、この2強怪人・モンスターで9作品が埋め尽くされてしまいました。さて残りのもう一人の怪人は最後のページで……。

スタートは怪人キング!ドラキュラ映画を製作年度の古い順にお届けします。

世界初の吸血鬼映画
『吸血鬼ノスフェラトゥ』

吸血鬼ノスフェラトゥ
古典的映画化にして吸血鬼映画の最高峰と言われている『吸血鬼ノスフェラトゥ』
ブレーメンの町に吸血鬼がやってきてからペストが蔓延します。吸血鬼の連れてきたネズミが原因であることがわかり、ニーナという美女が自ら吸血鬼に挑み、朝日で吸血鬼を倒そうとするのです……。ガリガリのカラダと異様に長い指の吸血鬼ノスフェラトゥはその後の紳士然とした吸血鬼とは異なる奇怪な容貌が恐怖を煽ります。

サイレント期のドイツ・ロマン派の恐怖映画には快作『カリガリ博士』があり、それから2年後に製作された本作は、ブラム・ストーカーの有名なドラキュラ伝説を映画化した古典の傑作ですが、日本では一般劇場未公開でした。

[作品紹介]
・1922年/ドイツ映画
・上映時間:62min
・監督:F・W・ムルナウ
・出演:マックス・シュレック、アレクサンダー・グラナック

燕尾服の貴族的ドラキュラをつくり上げた
『魔人ドラキュラ』

魔人ドラキュラ
伯爵と教授の死闘を重厚に描いた『魔人ドラキュラ』
トランシルバニアの古城で500年も生き続けるドラキュラ伯爵。ある日、イギリス行きの漁船に乗り込むも嵐により難破。その日からドラキュラは夜毎に街に現れ生血を求め歩くのでした。

監督トッド・ブラウニングが、あの『フリークス』の2年前に創り上げた逸品。本作の主演は、当初『ノートルダムのせむし男』など凝ったメイクで「千の顔を持つ男」と呼ばれたロン・チェイニーを予定していたのですが、急死し、舞台でドラキュラを演じたことのあるベラ・ルゴシが演じました。その後のベラ・ルゴシはツキから見放され不遇のうちに死去。遺体はドラキュラの扮装で柩に納められたそうです。

[作品紹介]
・1931年/アメリカ映画
・上映時間:75min
・監督:トッド・ブラウニング
・出演:ベラ・ルゴシ、ヘレン・チャンドラー、デヴィッド・マナーズ

クリストファー・リーのはまり役
『吸血鬼ドラキュラ』

吸血鬼ドラキュラ
初のカラー版ドラキュラ映画『吸血鬼ドラキュラ』
ドラキュラ伯爵の城に乗り込んだジョナサンは、女吸血鬼の胸に杭を打ち込むことに成功しますが、逆に伯爵に血を吸われてしまいます。伯爵はジョナサンの持っていた妻の写真を見、彼女を狙いだすのでした……。

ドラキュラ映画初のカラー映画で、血の赤を思いっきり前面に出しています。本作の大ヒットにより、クリストファー・リー主演のドラキュラ映画が量産されることになりまた。

[作品紹介]
・1957年/イギリス映画
・上映時間:81min
・監督:テレンス・フィッシャー
・出演:クリストファー・リー、ピーター・カッシング、マイケル・ガフ

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