また、トンキン湾事件が引き金となって、ベトナムへアメリカが積極的に介入しベトナム戦争へと発展(1965年~)。そしてベトナム戦争の泥沼化から火が付いたベトナム反戦、大学紛争のうねった情勢の中から生まれた「ヒッピー」世代。アメリカの1960年代は疾風怒濤の時代だったのです。そして60年代最後の年の1969年にアポロ11号によってアメリカ人が月面に立ち、世界の希望となりました(今だに月面着陸はアメリカのでっち上げだと言う人もいます)。
さてそんな1960年代に生きた若者たちを描いた映画4タイトルを紹介します。「60s群像劇の2タイトル」、60年代青春ど真ん中のダスティン・ホフマン主演の「60年代の現代劇2作品」です。
◇スタートは、記事タイトルそのままの、60s群像劇の傑作『アメリカン・グラフィティ』から。
1960年代のアメリカン青春群像映画の最高作
『アメリカン・グラフィティ』&2
1962年の夏のある一夜を描いた『アメリカン・グラフィティ』 |
私たちがよく使う「オールディーズ」という言葉は『アメリカン・グラフィティ』公開以降から広まりました。それほどに本作は映画に留まらず音楽・ファッションを含めた若者文化に多大な影響を与えました。
当時弱冠29歳のジョージ・ルーカスがドラッグもベトナム戦争もない、ケネディ暗殺事件の1年前の1962年の青春像を見事にスクリーンによみがえらせました。実在のDJウルフマン・ジャックが本人役で登場し、適所に流れるオールディーズの名曲の数々。ガールハントに喧嘩にシグナルカーレース。ローラスケートを履いたカーポップでチェリーコーク。1962年というアメリカが最も華やかで夢にあふあていた時代の「青春の一夜を切り取った」これ以上ない完全無欠の青春ロックンローラー映画です。
【作品情報】
・1973年/アメリカ映画
・上映時間:110min
・監督:ジョージ・ルーカス
・出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット、チャーリー・マーティン・スミス、キャンディ・クラーク、シンディ・ウィリアムズ、ウルフマン・ジャック、ボー・ホプキンス、ケイ・レンツ、ハリソン・フォード、マッケンジー・フィリップス
『アメリカン・グラフィティ2』
その後のアメリカン・グラフィティを描いた『アメリカン・グラフィティ2』 |
カリフォルニアを舞台に、夏の夜を謳歌する筋書きは前作同様ですが、あの時(1962年)から3年の時がたった1965年は、ベトナム戦争がはじまり、反戦運動、そしてヒッピーへとそれぞれが別の道を歩きはじめた登場人物たちの4年にわたる大晦日の出来事を交錯させながら描いています。ベトナム戦争の影が映画にも暗い闇の部分を反映しています。
【作品情報】
・1979年/アメリカ映画
・上映時間:111min
・監督:B・W・L・ノートン
・出演:チャールズ・マーティン・スミス、キャンディ・クラーク、ボー・ホプキンス、ロン・ハワード、マッケンジー・フィリップス、シンディ・ウィリアムズ、リチャード・ブラッドフォード、ロザンナ・アークエット、メアリー・ケイ・プレイス
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