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今観るべき、太平洋戦争映画(2ページ目)

日・米・露が製作の太平洋戦争を題材にした反戦映画の秀作選をお届けします。原爆、空襲、地上戦……。風化させてはならない戦争の悲劇。戦争を知り、そして次の世代にも伝えてください。

執筆者:中野 豊

現代日本が創った原爆映画
『夕凪の街 桜の国』

夕凪の街 桜の国
7月28日より全国ロードショー公開
(C) 2007「夕凪の街 桜の国」製作委員会
原爆投下から13年後の広島。母親と暮らす皆実(麻生久美子)は、被爆による心の傷を抱えながら懸命に生きています。そして現代の東京。家族に隠れて外出した父のあとを追った七波(田中麗奈)は広島に辿り着き、自分自身のルーツに思いを馳せるのでした。

原爆投下が個人や家族にどれだけ暗い影を落としたのか? 二つの世代の視点を通して描く秀作です。

・2007年/日本映画
・上映時間:118min
・監督:佐々部清
・出演:田中麗奈、麻生久美子、藤村志保、堺正章、吉沢悠、中越典子
関連リンク

アメリカ制作の記録映画
『ヒロシマナガサキ』

今夏公開のもう一本、原爆をテーマにした映画が公開中です。
今夏、全米でテレビ放映されるドキュメンタリーフィルムです。原爆投下から60余年経た今、まだまだ世界の多くの人々は被害の実態を知りません。本作は500人を超える被爆者に会い、取材を重ねた貴重な記録映画です。

・2007年/アメリカ映画
・上映時間:86min
・監督:スティーヴン・オカザキ
関連リンク

被爆後遺症を描く
『黒い雨』

黒い雨
近年の今村昌平監督の最良の一本『黒い雨』
井伏鱒二のベストセラー小説の映画化です。
1945年8月6日、瀬戸内海の子舟にゆられていた矢須子は強烈な閃光を見ます。直後、空が真っ黒な雲に覆われ、黒い雨が降ってきます。

被爆後遺症を描いた本作の中、もの静かにその後の生活を続ける被爆者の姿は、先に逝った者たちへの哀悼にみえます。

・1989年/日本映画
・上映時間:123min
・監督:今村昌平
・出演:田中好子、北村和夫、市原悦子、沢たまき、三木のり平、小沢昭一


次ページは、硫黄島の地上戦を描いた昨年末から話題の『硫黄島からの手紙』と、大空襲の戦渦を描いたアニメーション『火垂るの墓』です。
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