アメリカが平衡感覚も持って創った
『硫黄島からの手紙』

硫黄島からの手紙
米国が創ったからこそ客観的に見られるのかもしれない 『硫黄島からの手紙』
本作を観て寂しいことの一つに、この映画がアメリカ映画だということです。硫黄島で戦死した二万人の兵士を鎮魂する映画は日本人の手で創ってほしかった。日本には戦後60年間それだけの力量・志のあるフィルムメーカーが出てこなかったと言わざるを得ないのでしょうか?

ただ、ひとつ言えることは本作がアメリカ映画というエクスキューズから、陛下のため、御国のために死した人々、「靖国で会おう」という言葉がリアルにのしかかってきます。あの時代の人々が置かれた状況や思想が忠実に描かれていたのではないのでしょうか? 近年稀に見る「本物の戦争映画」です。

・2006年/アメリカ映画
・上映時間:141min
・監督:クリント・イーストウッド
・出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、松崎悠希、中村獅童

子供の権利を問う
『火垂るの墓』

火垂るの墓
1994年10月のシカゴ国際児童映画祭に出品。最優秀アニメーション映画賞を受賞。また、同映画祭で「子供の権利」部門でも1位に選ばれた 『火垂るの墓(ほたるのはか)』
All Aboutのアンケート「子供に見せたい映画」としても支持された映画です。反戦映画でありながら、深い兄妹愛という普遍的なテーマが重なった子供たちの悲痛な叫びを聞いてください。

本作をアニメーションで撮ったこと……。制作側は大人向けのアニメとして創ったのだと思えます。空襲により焼夷弾をまいて、民間人の居住を根絶し始めた描写を、もし実写で膨大な特撮予算を使っていたら……。はたして本作の本質に迫ることが出来たのでしょうか? アニメだからこそ、自分がその時代のあの状況下にいたとしたらと想像し、両親、祖父母の姿に投影することが出来たのかもわかりません。

・1988年/日本映画
・上映時間:88min
・監督:高畑勲
・声の出演:辰己努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美


終戦の日が近づいています。今回は日本人が忘れてはならない、太平洋戦争にスポットを当ててみましたが、世界のどこかで今だに戦争・内紛が絶えません。何故なんでしょうか? 今日、隣にいる人との諍い、争い、利害関係が戦争のはじまりなのかもしれません。他者のことを自身と同等に考えながら生きてゆけば、争いは減るに違いありません。「自分が何を考えているのかと等価に、あなたは何を思っているのか」を知ることが必要だと思います。


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