『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督インタビュー
米国アカデミー賞にて最多8部門を受賞した映画『スラムドッグ$ミリオネア』。米国史上初の黒人大統領が誕生したことで、アメリカは変化の気風に満ち、まさに希望が芽生えたわけだ。そして、映画賞の最高峰でもあるアカデミー賞にも希望の風が吹いたのだ。同賞にて、ハリウッド製作映画以外が作品賞を受賞するのは、映画『ラストエンペラー』以来21年ぶりの快挙! 受賞直後のダニー・ボイル監督にお話を伺いました。 ダニー・ボイル監督(左)とプロデューサー(右)、中央はスティーブン・スピルバーグ
◆アカデミー賞8部門受賞おめでとうございます。今のお気持ちは? また、成功のポイントは何だったと思われますか? ダニー・ボイル:ありがとうございます。たったの1,400万ドルの予算でつくり、大スターも出ていないこの作品が、こんな成功を収められたんですからね。あらためて、感激しています。映画を製作したものとしては賞を受賞する前に映画自体は完成しているので、本当は、なんらか変わる事はないのです。唯一思うのは賞を受賞することによって世界中でこの映画が知られて、観てもらえる機会が増えたということに尽きます。それがうれしいですね。お金では買えないものですから。全世界の映画祭で多くの賞を獲得し、興行的にも成功したのは、この映画のストーリーにこそ理由があると思います。 ◆具体的にはどのような部分でしょうか。 ダニー・ボイル:主人公が一人の少年で、彼が自分の夢のために絶え間なく努力をして最後に大金をかちとる。でも、お金よりもっと大切なのものを彼が勝ち取ったこと。これは我々が住むこの世界のどこかで起こっている話ですし、国や宗教を問わず誰しもが共感できる話ですからね。 ◆確かに。でも、それだけではありませんよね? |
Interview with Danny Boyle on "SLUMDOG MILLIONAIRE".
『スラムドッグ$ミリオネア』[SLUMDOG MILLIONAIRE] |