天才たけしの頭脳に潜入
北野武監督『監督・ばんざい!』インタビュー
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アートとお笑いの融合を構想中 |
Q:今後の構想について教えていただけますか。 北野武監督:今、考えている映画は「絵の映画」。アートとお笑いの融合。一歩間違えるとアートと思ってしまう人がいるかもってスレスレの危ない橋渡りみたいな映画を撮りたい。
北野武監督:なんで、今絵を描いてんの。おいら、中学生ぐらいまでの絵は実にうまいんだね。自分でも感心するぐらい「いーなあ」って思うの。絵画学校に行って絵を習った写実的な絵を描くシーンを自分で描きたいんだけど、これがどーも梃子でも動かない。
北野武監督:一気にキュービズム(※モダンアートの原点的な美術運動名。ピカソやブラックが創始者)に飛ぶといいけど、その間の印象派(※19世紀後半のフランスで発祥した手法。モネやルノワールが有名)とかダメでね。アクションペインティングとか偶然によって生まれる産物的な描き方の発想は、やっぱり漫才師だって思うところはある。
北野武監督:なんかね、やたらくだらないことを思いついて。将来は、いかに間抜けな絵を描くか?!
って希望が見えてるの。
北野武監督:例えば「ビルの絵」っていうのは、ビル群の中に地上げで一軒だけ情けない家があるの。それを道路工事のドリルで、実際絵にドドドドってやって穴開けた絵を画商に持っていく。「何、考えてんだ!」って画商が怒るとか。
ペンキを投げるだけの「自動ペンキ投げ機」。その前を白いキャンバスが行ったり着たり動くってのをビデオに撮って見せる(笑)。まあ、絵ってのは、逃げ場があるなあ。映画よりも、ちょっと面白いかなって。
Q:あの、そうすると、また興行から離れて……。
北野武監督:もうねえ。興行から離れて久しいからねえ(笑)。大笑いしちゃうねえ。
※画像クリック
・編集の極意(2) |
・ターニングポイント
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『監督・ばんざい!』
※第60回カンヌ国際映画祭記念・短編作品『素晴らしき休日』、同時上映決定!
2007年6月2日[土]キタノタイムズスクエアほか全国ロードショー 監督・脚本・編集:北野 武
出演:ビートたけし
江守 徹、岸本加世子、鈴木 杏、吉行和子、宝田 明、藤田弓子、内田有紀、木村佳乃、松坂慶子、大杉 漣、寺島 進、六平直政、渡辺 哲、井手らっきょ、モロ師岡、菅田 俊、石橋 保、蝶野正洋、天山広吉 ナレーション:伊武雅刀
2007年/日本/1時間44分/東京テアトル、オフィス北野配給
公式サイト:http://www.office-kitano.co.jp/banzai/
【ストーリー】次回作映画の内容に悩む“おバカ”な映画監督キタノ・タケシ(ビートたけし)。最も得意とする代表作ではギャング映画だったが「暴力映画は二度と撮らない!」と宣言してしまったため、後悔先に立たず! 心底参っていた。そこでヒット作を世に送り出そうと、これまで手のつけてこなかったタイプの映画に片っ端から挑戦してみることに……。
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【過去記事】『TAKESHIS'』北野武監督に直撃インタビュー
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