『王の男』カム・ウソン[甘祐晟]来日単独インタビュー
◆役作りの苦労など◆
カム・ウソン[甘祐晟]:口元のキズと眉間にしわを寄せることは私が提案したんです。そのキズもさまざまな方法を試みました。例えば、細いワイヤーを30分ぐらい押し当ててへこませて、上下の肉をくっつけたり。まあそれはあまりよくなくて(笑)。何通りか試してキズ痕をつけました。チャンセンという役を理解してもらうためにです。 カム・ウソン[甘祐晟]:あとから私が付け加えたセリフなんですが、口のキズは以前、二人で奉公していたときに『奥さんの指輪を盗んだ』って話がでましたよね。「棒が飛んできて、口で受け止めた。もしあのときに眼に飛んできたら、燕山君は口を裂いていたかもしれない」とあったのを覚えていらっしゃいますか。 ―南:ええ、覚えています。ああ、なるほど。コンギルをかばって出来たキズだったんですね。 カム・ウソン[甘祐晟]:ディティールにこだわったのは、既存のイメージをこわすためでもあるんです。『王の男』は、コンギルだけ、もしくはチャンセンだけが目立ってもだめなんです。あくまでも二人の相性が大切でした。コンギルがしっかりしていればチャンセンも引き立つので、常にコンギルを気にかけていました。 カム・ウソン[甘祐晟]:それから二人は『同性愛』っていう関係だと一部で見られていますが、あくまでも同じ運命を生きてきた相棒として、まるで肉親のような関係だという動機付けってことで、二人の関係を築きました。二人は一緒だという関係付けが必要でしたから、(韓国での)宣伝の仕方が一部、そういう方向にされたのは残念に思っています。 ―南:私個人としては同性愛というより、師弟愛もしくは兄弟愛として見ています。 カム・ウソン[甘祐晟]:(満足そうに、笑顔でうなづいてくれました) ◆『王の男』―芸の練習◆
カム・ウソン[甘祐晟]:綱渡りは、立って居るぐらいなら今でもできると思います。難しかったのは、ケンガリ(銅鑼[ドラ])を叩いているのですが、それを止める技術がなかなかできなくて(笑)。(実際に手を動かしながら)こうやって叩いて、裏側でも手を動かしていないとならないんですよ。 ―南:手を動かし続けるのは音の調整のためですか? カム・ウソン[甘祐晟]:そうです。担当の人は「やっているふりをすれば音はかぶせるから」っておっしゃいました。でも自尊心があるから『なんとか自分で』って思ったのです。でも、これだけはだめでした。 ◆もしも…王なら◆ ―南:もしもカム・ウソンさんが王の血を受け継ぐ人だ、と……何をなさいますか? カム・ウソン[甘祐晟]:そりゃ、側室をはべらしての大宴会(笑)。 ―南:(笑)あの、奥さまは……。 カム・ウソン[甘祐晟]:そこまで考えていませんでした。ただ、王がうらやましいなあ、と(笑)。 ―カム・ウソン[甘祐晟]さん、ありがとうございました― |
『王の男』
[The Royal Jester] ©2005 Cinema Service Co., Ltd. All Rights Reserved. 2006年12月9日[土]~新宿ガーデンシネマ、恵比寿ガーデンシネマ全国ロードショー |
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