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『王の男』カム・ウソン単独インタビュー(3ページ目)

12/9[土]~公開『王の男』で主演のカム・ウソン[甘祐晟]氏に来日単独インタビュー。知的で完璧主義者なことから「韓国のトム・クルーズ」と呼ばれています【写真・画像掲載】

執筆者:南 樹里

『王の男』カム・ウソン[甘祐晟]来日単独インタビュー

◆役作りの苦労など◆

『王の男』カム・ウソン[甘祐晟]来日単独インタビュー
写真撮影では「『ロスト・イン・トランスレーション』のように撮ってください」とのリクエストが。※韓題は「愛を通訳できますか?」だそうです。
―南:チャンセンをどのような人物だととらえ、どうご自身の中で消化していったのですか。また口元のキズの設定は監督から説明がありましたか?

カム・ウソン[甘祐晟]:口元のキズと眉間にしわを寄せることは私が提案したんです。そのキズもさまざまな方法を試みました。例えば、細いワイヤーを30分ぐらい押し当ててへこませて、上下の肉をくっつけたり。まあそれはあまりよくなくて(笑)。何通りか試してキズ痕をつけました。チャンセンという役を理解してもらうためにです。

カム・ウソン[甘祐晟]:あとから私が付け加えたセリフなんですが、口のキズは以前、二人で奉公していたときに『奥さんの指輪を盗んだ』って話がでましたよね。「棒が飛んできて、口で受け止めた。もしあのときに眼に飛んできたら、燕山君は口を裂いていたかもしれない」とあったのを覚えていらっしゃいますか。

―南:ええ、覚えています。ああ、なるほど。コンギルをかばって出来たキズだったんですね。

カム・ウソン[甘祐晟]:ディティールにこだわったのは、既存のイメージをこわすためでもあるんです。『王の男』は、コンギルだけ、もしくはチャンセンだけが目立ってもだめなんです。あくまでも二人の相性が大切でした。コンギルがしっかりしていればチャンセンも引き立つので、常にコンギルを気にかけていました。

カム・ウソン[甘祐晟]:それから二人は『同性愛』っていう関係だと一部で見られていますが、あくまでも同じ運命を生きてきた相棒として、まるで肉親のような関係だという動機付けってことで、二人の関係を築きました。二人は一緒だという関係付けが必要でしたから、(韓国での)宣伝の仕方が一部、そういう方向にされたのは残念に思っています。

―南:私個人としては同性愛というより、師弟愛もしくは兄弟愛として見ています。

カム・ウソン[甘祐晟]:(満足そうに、笑顔でうなづいてくれました)

◆『王の男』―芸の練習◆

『王の男』カム・ウソン[甘祐晟]来日単独インタビュー『王の男』カム・ウソン[甘祐晟]来日単独インタビュー
(左)口元のキズのつくりかた/(右)ケンガリの叩き方を説明してくれました
―南:芸人としての訓練で、最も不安だったけど大成功ってこと、もしくはその逆はありましたか?

カム・ウソン[甘祐晟]:綱渡りは、立って居るぐらいなら今でもできると思います。難しかったのは、ケンガリ(銅鑼[ドラ])を叩いているのですが、それを止める技術がなかなかできなくて(笑)。(実際に手を動かしながら)こうやって叩いて、裏側でも手を動かしていないとならないんですよ。

―南:手を動かし続けるのは音の調整のためですか?

カム・ウソン[甘祐晟]:そうです。担当の人は「やっているふりをすれば音はかぶせるから」っておっしゃいました。でも自尊心があるから『なんとか自分で』って思ったのです。でも、これだけはだめでした。

◆もしも…王なら◆

―南:もしもカム・ウソンさんが王の血を受け継ぐ人だ、と……何をなさいますか?

カム・ウソン[甘祐晟]:そりゃ、側室をはべらしての大宴会(笑)。

―南:(笑)あの、奥さまは……。

カム・ウソン[甘祐晟]:そこまで考えていませんでした。ただ、王がうらやましいなあ、と(笑)。

―カム・ウソン[甘祐晟]さん、ありがとうございました―

『王の男』『王の男』 [The Royal Jester]
第79回アカデミー賞最優秀外国語映画賞部門韓国代表作
原作:キム・テウンの演劇「爾(原題)」
監督:イ・ジュンイク監督
出演:カム・ウソン[甘祐晟]、イ・ジュンギ[李俊基]、チョン・ジニョン[鄭進永]
ほか
2005年/韓国/2時間2分/角川ヘラルド・ピクチャー配給
公式サイト:http://www.kingsman.jp/

©2005 Cinema Service Co., Ltd. All Rights Reserved.

2006年12月9日[土]~新宿ガーデンシネマ、恵比寿ガーデンシネマ全国ロードショー

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