◆ルールは、1シーン、1カット◆
ジェイ・ウエスト:うそ、そうなの? ―南:是非、教えてください。 園監督:1カット、1シーンは決め手だもんね。あの映画のルールのひとつだから。これは無理だろうとか。必要のないところはカット割しているけど、基本的に物語を追うのではなく、3人の息遣いを追っているから。 園監督:ああなるとカメラマンしか付いて行けないから、本来のリハーサルとはちょっと違って2、3回ココでこうなるとか皆で事前に確認して、カメラマンと録音以外はゴールで待っているの。セリフだけは間が持たないかと思って「足りなくなったら何か話してくれ」って言っておいたんだけど、けっこう持ったんだよな。でも細かいことは、もう忘れちゃった(笑)。あれを「もう一回」って言ったら、疲れるだろうな。 園監督:あれ、なんとなく歩いているふうに見えるけど、全部エキストラなんだよ。ちゃんと配置をしてね。パトカーもたまたまやって来たわけではなくて。それに警官は本物ね、本物志向だから(笑)。実際は予算の関係でそうなったんだけど。ただ役者じゃないから、タイミングがちょっとマズイ(苦笑)。 ジェイ・ウエスト:シンをリーの家に連れて行くところも1カットだよね。
園監督:そうそう。一個一個切り離して撮影していると思われたくなかったからね。日本の常識で考えたら、きったない倉庫の中は、きったないわけで。外観で汚いな、って上がっていくと『きっと汚い部屋があるだろう』という期待を裏切る(笑)。日本人には、なかなか分かりにくいから1カットにした。あれこそブルックリンの正体であって、リアルだから。いいな、って。 ―南:ところで、撮影期間は? 園監督:撮影は10日。 撮影中の「ハザード」組みには「HAZARD」と「神」がついていた?! |