『ワールド・トレード・センター』
彼らの運命は…… |
現実に何が起きたのかを、現場にいた人間の立場から描くということは大事な役割だ--オリバー・ストーン監督--
『地獄の黙示録』『ディアハンター』でベトナム戦争を描いた巨匠が9.11同時多発テロの大惨事から奇跡的に生還した男の姿を描く実話を基にした感動ドラマが公開する。「そのあとに、戦っている戦士はどうだったのかを描くために『プラトーン』を作った。今回の『ワールド・トレード・センター』では、閉じ込められた人たちは、どうだったのかを描いた」という。
今回9.11を題材にすることに、「ルーズベルト大統領が、『恐怖とは自分の心の中にある』と言ったように恐怖が勝ってしまい、多くの人たちは、あのときにどれほど苦しんで戦ったかを忘れてしまっている。じつは、助け合ってみんなの心がひとつになり、いろいろいいことも起きていたと思う。暗い部分を見つめているアメリカというなかで、人間的なものをとらえることによって、光や希望、夢を描きたかった」。
演技力で、主演にニコラス・ケイジを起用
映画のモデルで本作にアドバイザー&出演しているウィル・ヒメノ氏も公開に先がけ来日した |
「ニコラス・ケイジは、いろいろな役をやっており、あの年代の俳優のなかではもっとも優れた俳優のひとりだと思う。自分の年齢より高く、寡黙で成熟した大人の男を演じるのは、彼にとっても今回が初めてだろう。実在のジョン・マクローリンはユーモアもあるが、真面目で決して茶化したりしない人。ニコラス・ケイジはこういう役を演じる中で、色々考えてくれた。はじめは静かな彼が、死が近づく中で変わっていく様子を、じつに優れた演技を目だけであらわしてくれた。感情をこめた素晴らしい演技だったと思う」。
平和な映画が作れてよかったと思った
救出されたジョン・マクローリンが妻に再会し「君がいたから生き延びられたんだ」というところが大好きなシーンだという。「結婚して20年が経ち、子供が4人いるからといって、幸せな夫婦であるとは限らない。お互いを見失っていて、結婚した頃の愛情がなかったかもしれない。ところが、あの日を経て、もう一度強く結ばれた。民間の劇場では、カップルが手を取り合って涙を流していた。それを見て、平和な映画が作れてよかったと思った。政治的な作品を作るといわれることが多いが、夢や希望、信念も持っている」。
『ワールド・トレード・センター』ストーリー
2001年9月11日、同時多発テロの被害を受けたワールド・トレード・センターへ避難、誘導のために駆けつけた港湾警察署の巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)と署員のウイル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)は、ビルの崩落により閉じ込められてしまう。
『ワールド・トレード・センター』 |
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