『硫黄島からの手紙』
クリント・イーストウッド監督来日、日本人キャストと記者会見
「映画が成功したら、それはキャストのお陰です」 |
「日米双方の視点で描くことによって、たくさんの命が失われた事にトリビュートを込めています。英語圏ではなく、文化も違う場所で撮影するのは私にとって新しい体験でした。栗林中将の『何年も経ったら、君たちの事を皆が思い出し、魂に祈りを捧げてくれるだろう』というセリフは大事な言葉です。国のために戦い、命を賭したという人々を忘れてはならないのです」
「演技で大事なことは正直である事、だと思います。この企画に参加してくださった日本人キャストは素晴らしかった。共同作業があまりにも楽しかったので、明日からでも新しい作品を撮りたいぐらいです」(クリント・イーストウッド監督)
◆クリント・イーストウッド監督の演出極意◆
「いい演技は言葉に関係なく、伝わるもの。本作で、私は日本の監督です、ただ日本語がしゃべれないだけですが……そのことはあまり問題にはならなかった。スクリプトを熟知していますので、先ほど申したとおり「オネスティ(=正直)である」演技なら伝わるのです。言葉より、その時のその人の感情ですね。その人の心や魂が見える演技が正直な演技だと思うんです。私の演出は「本能」で「(直)感」します。本能的な芸術だと思うので「あまり脳を使わず、ハートで感じろ」と言っています。その方がいい演技になるんです。あまり考え過ぎて、分析しすぎると、いろいろいれたくなり本質がなくなってしまう。なので最初のテイクを採用することが多いです。覚えたセリフということではなく、その時に初めて発した言葉として聞こえる。それは1テイクが一番自然だと感じるからです」
◆スッタフのコメント◆
アイリス、ロバート、渡辺、クリント |
「脚本家というのは実はとても孤独な作業です。自分としてはいろいろなアイデアをもって書き上げ、あとはいい映画になるようお任せするしかない。しかしながら今回は共同作業だなと思いました。監督がどうやって私のアイデアを表現してくださるか、俳優がどう演じてくださるか、それがどんなに大事な事か。そして結果は私が期待した以上に素晴らしい作品に出来上がっていました。本当に嬉しく思っています」(アイリス・ヤマシタ)
◆キャストのコメント◆
「オーディションで選んでいただきました。基本的にあまり演技しなくていいのかなって思って、割とありのまま、自分をいかすにはどうしたらいいのか、と考えました。二宮君演じる西郷とのからみがほとんどだったんで、二宮君の演技から受けとったもので気持ちが膨らんでいったと思います」(加瀬 亮)
「この映画に関わった時から非常に思い責務を背負わされた気がしておりました。撮影前、監督から「一緒に考えていこう」と言葉をいただけたので、クリントとロブ(=製作のロバート)に「またかよ」と思われるほど、朝「おはようございます」と言ったら(アイデアなどを書いた)ノートを渡して、毎日「これはどうだろう」というような感じでした。衣装・小道具に関していろいろなアイデアをクリントは取り入れてくれました。本当に僕たちが忘れてはいけない、絶対捨ててはいけない歴史が、この映画の中に刻まれています。一人でも多くの方に見ていただいて、我々が命を賭けて必死な思いで体験したこの硫黄島を一緒に体験していただければと思います」(渡辺 謙)
◆ビッグ・ニュース◆
アメリカでの公開を2007年2月9日に予定していた『硫黄島からの手紙』がニューヨークやロサンゼルス他 主要都市にて、急遽2006年12月20日に繰り上がることが決定した。更に年明け1月からは全米で拡大公開されます。2006ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の作品賞は『硫黄島からの手紙』に決定[2006/12/6(現地時間)]
『硫黄島からの手紙』[Letters from Iwo Jima]来日会見【続く】
饒舌な監督と二宮さんが……
『硫黄島からの手紙』
[Letters from Iwo Jima] |
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