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人は誰でも何かを"待ち続けている" 『ターミナル』トム・H来日会見(2ページ目)

12月18日(土)~公開の『ターミナル』の主演トム・ハンクスが来日会見を行いました。この映画は、人間が人生で直面するミステリーや冒険を象徴的にドラマ化したものだと映画の魅力を語ります。

執筆者:南 樹里

『ターミナル』トム・ハンクス来日会見

『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見トム・ハンクス:14時間、空港に足止めされたことですね。コンクリートの床に横になって、体温が奪われて寒かったし。だから妻と一緒にファーストクラスのラウンジにもぐりこみました。皆さんもご経験があるでしょう?(と、笑う)。

フランスのシャルル・ド・ゴール空港に住んでいる男性がいます。名前は覚えていないのですが…政治的な亡命で16年ほど暮らしているそうです。一度、出国させたけれど再度、戻ってきたそうですよ。本人の選択です。きっと空港は暮らすのにいいところなんです。シャワーはあるし、食べ物に困らない、免税店もあってショッピングも楽しめます。

『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見第61回ベネチア映画祭にて『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見トム・ハンクス:天才です。いつも頭の中が映画のことでいっぱいになっていて、人生そのものも映画的ですね。セットの中にいる時がいちばん生き生きしていて、僕の持っていないものすべてを持っている人。(翌、10月31日のクロージング上映の舞台挨拶時に同じことを聞かれ「今、ここに居ない人です」と大笑いで答えていた)。

スティーブン・スピルバーグ監督: 今回は、次回作の撮影が早まり来日が出来ず申し訳ありません。新作『宇宙戦争』(UIP配給)が完成する来年の5月か6月にはトム・クルーズと日本に伺う予定でおります。(第1回黒澤明賞を受賞された際のビデオレターより)

『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見クラコウジアがソ連の一部だということはわかります。ブルガリアに義父がいるので、ブルガリアっぽいアクセントを使うことを意識しました。ただ独り言を話している時は、ブルガリアの人が聞いても何を話しているかわからないでしょうけど(笑)。でもブルガリア語の汚い言葉は知っているので、そういう言葉を使うときは、ちゃんとブルガリア語を話しています。

初期の台本では、もっとキチンとした英語を話す設定でした。英語が上達すれば、他人の気持ちを理解できるようになる。ことばが上手になればコミュニケーションに対する自信ができる。登場人物には、英語が母国語ではない人々がいます。例えばディエゴ・ルナが演じるエンリケはメキシコ、クマール・パラーナが演じるグプタはインドです。新しい文化の中、言葉が分からない、公衆電話も使えない、そんな環境を乗り越える自信が共通の言語によって生み出されるわけです。

『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見トム・ハンクス:自身の映画の好みが基準になっています。観客として常に驚かされたいという願望があります。ジャンル映画というのは面白みがない。善のなかに悪があったり…また人間として共感を持てる人物が描かれている物語。自分ならそうするかな?と自然に思えるものですね。

『ターミナル』は、人間が人生で直面するミステリーや冒険を象徴的にドラマ化したもの。自分はビクター・ナボルスキーのようになったら、同じようにベッドをつくって、友達をつくって、ステキな女性がいたら話しかけてと、そっくりなことをしますね。無人島に流されたら『キャスト・アウェイ』と同じ事をすると答えたときと同じです。あらあゆる人が共有する感情-「孤独」がテーマです。人は、年をとっても新しい環境に身を置こうとするものなのです。たとえ孤独や混乱を感じたとしても、それを永遠に続けていくことが人生なのです。そのときに何でも乗り越えられると「自分を信じる」ことが人を前に進ませるパワーになるのです。

成熟した大人になるのをまだ待っている状態です。俳優は人の一生をかわって演じる仕事だけれども、俳優をしながら人間として成熟するのは大変なんです。

ビクターの心象表現をするライティング方法

■■10月30日(土)『ターミナル』トム・ハンクス[Tom Hunkus]来日会見(2)■■

Q:空港での最悪の経験? ビクター・ナボルスキーのモデルはいますか?

Q:スティーブン・スピルバーグ監督について?

Q:ビクター・ナボルスキーの話す言葉について?

Q:出演作を選ぶ基準? ビクターのように人生で何かを待ち続けたことは?

『ターミナル』(2004)[The Terminal]トム・ハンクス来日会見
独学で英語を身に付けるビクター・ナボルスキー
スティーブン・スピルバーグ監督:「映画の前半は、ブルーやグリーンといった冷たい色を使っています。この時点では、ビクター・ナボルスキーにとって空港が暖かい場所には思えないからです。その後も彼が苦しい立場で、先が見えない状況の間は冷たい色調が目立ちます。やがて周りがビクターを理解し始め、彼自身も落ち着いてくると、色彩が暖かいトーンに変わっていくのです」。

※著作権は撮影者・南樹里及びオールアバウトに帰属します。※記事・画像の使用は、版権を有する映画配給会社等の許諾を得て掲載しています。※記事・画像の使用・転載は、営利・非営利を問わず禁止です。※リンクは、大歓迎です。詳細は右上の▲リンクをご覧下さい。※TM &(c)2004 Dreamworks L.L.C. (c) 2004 United International Pictures
[2004/12/4]
映画『ターミナル』公開記念「空港での忘れられないエピソード」大募集! 
12月18日(土)~公開のターミナル(配給:UIP)公開記念「空港での忘れられないエピソード」を募集中。■最優秀賞ANA(全日空)ニューヨーク往復航空券 1組2名様(※注)■優秀賞『ターミナル』劇場鑑賞券 25組50名様■ターミナル賞 オリジナルブランケット 10名様●募集要項・「空港での忘れられないエピソード」をテーマにした川柳・俳句、簡単なコメント文章、エッセイなど「空港」で感じたり体験したこと。文章の形式は問わず。※文字量は「ひと言」程度から最大800文字まで。・ 締切は12/17(金)必着(※注)等、詳細は↑のバナーをクリック!

『ターミナル』トム・ハンクス来日会見『パリ空港の人々』[Tombes du Ciel](1993)パスポートを盗まれたばかりに空港から出られなくなった男と、それぞれの事情から空港内に住み着いている人々の悲喜を綴った心温まるコメディ。

この作品のモデルとなったイラン出身の男性アルフレッド・マーハン[Alfred Merhan]氏は、今でもフランスのシャルルドゴール空港で暮らしているそうです。おそらくトム・ハンクスが会見で語った方でしょう。『ターミナル』映画化にあたって報酬も得ているそうですから。詳しくはこちら動画もありました。

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