「彼女が出演を承諾してくれなければ、この映画を作ることができたかわからない」と語り感激を隠せないジョエル・シュマッカー監督。
役作りの為に綿密なリサーチを行うことで知られるケイト・ブランシェットは、撮影に先駆けて一ヶ月間ダブリンに滞在し、ヴェロニカ・ゲリンの友人や同僚、家族から話を聞いた。またヴェロニカ・ゲリンの残した記事を読み、事件の報道映像をチェックしたり、インタビューを聞いたりしたという。そしてダブリンのアクセントをマスターした。彼女のモチベーションや麻薬犯罪追及に対する熱意、そして信念を貫く姿勢を肌で感じ理解しようとしたのだ。
本能的にネタを嗅ぎ沸け、現場に出向き、情報提供者から話を聞きだしたものを記事にする。ほとんどのジャーナリストが電話取材や記者会見で得た情報で記事をかくなかで、ヴェロニカ・ゲリンは違った。
直接相手と会って話を聞いていたヴェロニカ・ゲリンにとって、ファッションは自分自身を鼓舞すると同時に、彼女の持つカリスマ性を相手にアピールする手段でもあった。そのためワーキング・ファッションも、彼女の人柄を物語る重要な要素のひとつとなっている。颯爽としたショートカットにきちんとした印象を与えるスーツ。ジャーナリストになる前は広報の仕事をしていたヴェロニカ・ゲリンは、常に服装に気を使っていたという。彼女を知る人の話によれば、「スーツとパンツ以外でサンデー・インディペンデントに行くことはなかった」。
▼南の試写コメケイト・ブランシェットが演じた事で、リアリティが溢れジャーナリスト魂がしっかり伝わってきます。職業柄、映画のロケ地も通常の撮影の3倍にあたる92箇所を選んでいる。あの信念をまげずに突き進むヴェロニカ・ゲリンの生き方。女性として、母として、妻として、と思うだけで生き方を考えさせられる。この演技はゴールデン・グローブ賞にもノミネート。でもラストでヴェロニカ・ゲリン本人の写真が写るのですが・・・そのギャップに驚きました。実話を基に脚本は描かれているそうですが、真摯に描きグイグイと惹き付け、観せていく。ラストに近づくにつれ男女問わず涙してしまうだろう。この話を知ったら・・・・・・思うし、本国では忘れられない人物とされている意味が非常によく分かる。ダブリン城には、ヴェロニカ・ゲリンの記念碑が建てられたというし、Criminal Assests Bureau(犯罪審査局)といった特別機関が設立され麻薬撲滅の機運も高まっているそう。
『映画』トップページへ戻る |