●リチャード・ドナー(プロデューサー/監督)Q.小説「タイムライン」に引き付けられた理由リチャード・ドナー:マイケル・クライトンと仕事がしたかった。彼の小説を読んで、何度もアポイントを取っていた。ある時、友人でありマネージメントもしてくれているマイケル・オービッツが彼のマネージメントもすることになって、「マイケルと仕事をするチャンスができそうだぞ」と言ってくれたんだ。そこで私と(プロデューサーの)ローレンシュラー・ドナーとで小説を読み、「よし、やろう」ということになった。Q.14世紀のシーンで舞台となる中世の城についてリチャード・ドナー:舞台となる城や村をどこに設定し、どうするかということで私の心にすぐ浮かんだのがトム・サンダースとダン・ドランスというプロダクション・デザイナーだった。我々はモントリオール郊外にある農場を見つけたが、そこはあまり人の手が加えられずに残っていた。そこから見渡してもほとんど近代的なものを見ることはできなかった。我々はその川沿いに見事な中世の町や漁村、小さな城を作った。そして山の頂上にキャッスルガードを建造した。高さ18メートルの中世の城は、「素晴らしい」の一言に尽きる出来栄えだったよ。てっぺんに登って壁に触ってみるまでは、それが本物の石じゃないなんて分からないんだ。もちろんその他にも方法はあっただろうし、多くの映画や多くの人達がCGを使っているが、私は俳優やエキストラ、それにファイティング・テクニシャンに本物の風合いを感じて仕事をして欲しかった。だから我々は英国側の兵士たちにとって、本当に守りが堅いと思わせるような城を建築したんだ。Q.『タイムライン』はどんな映画でしょう?リチャード・ドナー:私はこの『タイムライン』をミステリーであり、サスペンスであり、スリラーであると考えている。我々の扱い方や描き方がミステリーであり、サスペンスであり、スリラーにちゃんとなっているといいのだがね。Q.映画と観客の関係についてリチャード・ドナー:観客には登場人物達と一体になって欲しいし、俳優が演じているキャラクターを信じてもらいたいと思っている。だがキャラクターを信じられず、気にもとめず、感情移入できないようなら、映画の中で我々が何をしようと観客は面白いとは思ってくれないだろう。私が望んだようにキャラクターたちがうまく傑出してくれたら幸いだ、もしそうなったら、主観的な目で主観的に見てもらうことができる。素晴らしい人間たちが14世紀という時代に投げ出されるということは非常に恐ろしいことだからね。観客はいっしょになって「脱出できるのか、やり遂げることができるのか、中世に残ることになるのか、現代に戻ってこられるのか、そして愛の行方は?」と感じるだろう。もちろん物語の中では打ち砕かれる人間が出たりして、何人かを失ってしまうこともあり得るがね。リチャード・ドナー監督って?Richard Donner1930年生まれ。ニューヨーク出身。NY大学で演劇を専攻、俳優を志してTVや舞台に出演。テレビドラマを演出していたマーテイン・リット監督のアシスタントになる。そこで演出術を学び、数々のテレビシリーズを手がけた後、62年に『宇宙船X-15号』(劇場未公開)で映画監督デビュー。76年『オーメン』の大ヒット、78年『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』シリーズ4作を全て製作、監督。
●アンナ・フリエル(役名:レディ・クレア)Q.『タイムライン』に関わる事になった経緯アンナ・フリエル:イギリスで台本を手に入れることができたし、台本にはフランスのことがたくさん書いてあったから私にピッタリじゃないかと思ったの。イギリス人がフランス人を演じた映画もあるし、私はフランス語が話せるから。父がフランス語の教師なのよ。だからフランス語はよく話しているの。そういった要素に魅力を感じたし、ドナー監督の大ファンだったから。彼の作品は大好きだし彼の作品はいつでも皆がみたいと思う作品だわ。それにこういったハイソ(ハイソサエティ)で違った役を演じる自分を見せたいということもあったの。私は男性をよく見せるためだけの飾りとしての女性を演じることに飽き飽きしているのよ。この役は自分で闘うし、抜かりがなくて強くて自信に満ちている。それにアクション映画をやってみたいと思っていたの。多くのイギリス映画や芝居は、凝縮されていてハードな場合が多いの。だから楽しい映画をやるのもいいかなと思ったわ。それからお城が大好きだし、多様な異文化や国籍の人間が集まって影響を与え合うのも刺激があったわ。Q.自らが演じる役柄についてアンナ・フリエル:私の役名はレディ・クレアよ。説明が難しいわね。彼女は冒頭に男の子を装って登場するけれど、結構自分ではノッて男の子のふりをしていたわ。彼女はあのグループが中世にやってきた時に初めて出会う人間なの。彼女がみんなをキャッスルガードに連れて行くのね。そしてマレクがレディ・クレアに恋をする。ただ問題は、彼が彼女の生きる中世に残るのか、彼女が彼の生きる現代に一緒に帰るのか。それは見てのお楽しみね。