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『永遠のマリア・カラス』【オススメ映画】

7月19日(土)~公開。晩年のカラスの謎をフランコ・ゼフィレッリ監督が映画化!『8人の女たち』でも独特の雰囲気をかもし出していたファニー・アルダンがその魅力を存分に発揮したのが本作。

執筆者:南 樹里

私は、あの声の裏に隠れた人物が本当はどんな人間であったかを、あれほどの美しさを我々に与えるために彼女がどれだけの代償を払ったのかをいまの人々に知ってほしかった。彼女は天才だった。20世紀最高の歌を持っていた。でもなぜ?何が彼女を特別な存在にしたのか?私は、この映画を通して、マリア・カラスをマリア・カラスたらしめているものを探求したかったのだ
―――フランコ・ゼフィレッリ(監督)
 
永遠のマリア・カラス著名なオペラ演出家であり、カラスの親しい友人でもあった名匠フランコ・ゼフィレッリ
7月19日(土)より、シャンテシネ他全国順次ロードショー[公式サイト]
【 天性の才能と強運 】
ギリシャ移民の二世としてニューヨークの5番街に生まれたマリア・カラス(1923‐77)。努力してワザを磨き、才能を開花させ、スターになるのは一種のアメリカンドリームといえます。しかしながらマリア・カラスのように15歳でプロデビューし、一気にスターダムに登りつめるというのは、持って生まれた天性の才能と強運のなせる技でしょう。
【 運命の曲「カルメン」 】
マリア・カラスの伝記によれば、8歳の時にラジオで流れたビゼーの「カルメン」によって自分の一生が決まった記されています。幼いながら、その内面には歌への深い欲望があったのでしょう。その頃には「カルメン」の有名なアリア[ハバネラ]を家で歌っていたと。
【 師匠との出会いとデビュー 】
その後、十代の半ばに母親と故郷のギリシャに渡ったマリア・カラスは、アテネ音楽院にてスペインのソプラノ歌手:エルヴィラ・デ・イタルゴの弟子入りをはたします。イタルゴ氏の優れた指導によって、翌年15歳にしてアテネ王立劇場でプロデビュー。それからしばらくはギリシャで発声技法に磨きをかけ、いくつかの舞台を踏みます。第二次世界大戦が勃発し、演奏活動は一時中断されます。実際のマリア・カラスの姿が気になるところで、この本をご紹介。
マリア・カラスカラスbyカラス―写真と言葉が伝えるマリア・カラスの生涯
そんなマリア・カラスの晩年の様子を独自に映像化したのが本作。何が“独自”なのかといえば、ストーリーは実話に基づくものではなく、マリア・カラスと親交のあった監督が彼女ならきっと!という視点で描かれているのです。
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