Theme of SX-150
ガイド:
「Theme of SX-150」は、前述の「大人の科学マガジン」の付録のシンセ「SX-150」のテーマ曲ですが、このミニマリズムの結晶とも言えるシンセを使うに当たって、特に苦労された点は?
poly:
苦労はありませんでした(笑)。というのも、前述の通り、大人の科学マガジン、特にこの「シンセサイザークロニクル」には企画当初から関わらせていただいていたので、開発時に「こういう音が出したい」という、自分の希望を織り込み済みだったからです。そもそもこの曲自体は、リリース前から既に「まともに演奏するのは難しそう」という声があった中で、SX-150でもちゃんと音楽的な演奏ができることを示して欲しい、という編集部からの依頼に応える形で作った曲だったので、SX-150をメロディを奏でることのできる楽器として使用するというのが最大の目的でした。演奏の練習は大変でしたが。お手軽な楽器だからといって、お手軽に使ってるだけではダメ。ちゃんと練習すれば、弾けるんです!!
ガイド:
SX-150を始めとして、新型かつ小型の電子楽器を駆使されていますが、それぞれの楽器は担当が決まっていたのでしょうか(よろしければ、各人がやった楽器を紹介していただくとありがたいです)?レコーディングにあたって、(SX-150以外にも)特に苦労した楽器とはありましたか?
poly:
学研の付録楽器やDS-10(これにも少し関わらせていただいきました)は立場上、自分の担当という所なので、レコーディングでも当然使っています。変わった所では、大人の科学の8ビットマイコンJapanino、という色々な用途にプログラムできるマイコンボードを使ってSX-150の設計者であるGanさんに作ってもらったオリジナル楽器なんかも使ってます。勿論iPadも使いまくりました。
ガジェット楽器は、ライブで使うと電池切れとか断線とか、色々困ったりすることもあるんですが、レコーディングに関しては苦労することは全然ありません。むしろ、スイッチ入れればパッと音が出て、お手軽で便利この上ないです(先ほどの発言と辻褄があいませんが)。
岡田:
実はレコーディングではあまり使っていません。KAOSSILATOR、とかD2とか、iPadは音のパレットとしてもすばらしいですね。
イマイ:
僕はSUZUKIのOmnichordという電子ハープ、Nintendo DSソフトの「M-06」というギターソフト、俗に石橋テルミンと呼ばれるBias BTM-2、KAOSSILATORなどですね。苦労したのはこういうガジェット楽器ってアウトプット端子が貧弱な事でしょうか。ラインで普通に録音するとノイズが載ってしまったり、そもそもラインのアウトプット端子が無かったり。3人とも自らを「ガジェット貴族」と称するほどの筋金入りの小型の電子楽器マニアでして(笑)。本当に様々な楽器を持っているのでここぞとばかりに使いまくりましたね。曲中で使用した楽器はCDの裏ジャケットにすべて記載しているので、ぜひCDを手にとって確認していただけると嬉しいです。