ピエール・エルメよりもブルボン
ガイド:
それでは、デビュー・アルバム『Un Chocolat criminel(犯罪のショコラ)』について。まず、ジャケですが、凄いこだわり、普通の人にはどうでもいい事かしれないけど、分かる人には分かって欲しいを訴えかけるものがあります。僕も分かる人の一人でありたいです。装丁はみょうがさんですね・・・ぜひ、思いを言葉にしていただけないでしょうか?
購入サイトへジャケ写からリンクできます。
犯罪のショコラ |
02. ガールの言い分
03. Je suis F. C.
04. Mon papa est faux docteur
05. 石の花
06. pinca panic
07. 犯罪のショコラ
08. 天蓋のパズル
09. savonのときめき
10. ~epilogue~
みょうが:
はい。これはですね。昔よくあった、お菓子の詰め合わせの缶とか、贈答用チョコレートのパッケージとかをイメージして作りました。昭和40年代頃でしょうか。僕のコドモ時代の象徴的な世界観です。小西康陽さんの音楽にも、そういうテイストはよく盛り込まれていますよね。ああいう、元祖テレビジョン世代が作品にその面影を記す、みたいなことに参加したかったんです。今はもうない空気感ですからね。
で、当時僕は子供だったので、「ケロヨン」とか「オバQ」とか観てました。で、その頃の昭和の日本が憧れていたフランス的なものに強い興味を持っていまして。ベタベタなのに間違ってる、極めて日本的な解釈のフランス感、が好きなんです(笑)。お菓子でいうと、ピエール・エルメよりブルボン、みたいな。ついでに宣伝させていただくと、中は豪華な16ページフルカラーで、美しいジュンちゃんの写真もいっぱい入ってます(笑)。
ガイド:
アルバム全体ですが、80年代の\ENやNon Standardあたりの質感を強く感じました。歌謡曲的な部分もあるのですが、歌謡曲の中でも洋楽の影響下で作られた歌謡ポップスと言った方がしっくりする気がします。もちろん、それ以外のモチーフや今のテイストの部分もあるんですけど。\ENやNon Standardあたりは、結構聴かれてきたのでしょうか?
ジュン:
知らない世界です・・・(笑)
みょうが:
ジュンちゃんはまだ生まれてなかった頃だしね(笑)。僕は、もうバリバリその辺りの音楽に浸ってきた世代です。YMOの活動期が、僕の高校~大学卒業あたりまででした。日本の、というか世界の音楽はこれからもずっとテクノなんだ、と思い込んでました。YMO、MIKADO、コシミハルさん、テストパターン、Pizzicato Five、あと誰いましたっけ(笑)?そのほとんどを聴いてました。
海外ではMIKADO、Telex、といったクレプスキュール系。あとレーベルは違うけどムーンライダーズも大好きです。で、その前から日本の歌謡曲が好きで、自分の中に根付いているものですから、筒美京平さんとか都倉俊一さんの影響も大きいです。
ソーヤ:
すべてのスタートはYMOでした。小学生の時に所属していたブラスバンド部で「BEHIND THE MASK」や「ライディーン」をやったときに、まさに電気が走りましたね。それからは戸川純やPINK、谷山浩子などバラけていきましたが、なぜか高校生くらいまでは「女の情念」系にハマってましたね・・・中山ラビ、山崎ハコ、絵夢などは今でも愛聴です。大学に入ってようやく洋楽の洗礼を受けてKing Crimson、Hunka Munka、Banco、Ivan Lins、Nick Caveあたりを好んでおりました。基本はひとりでしんみり聴くような、切ない系音楽で脳ができてるようです。