会場セッティング
博士:
ライヴを見る前に、「今までのライヴの実績を見るとやはり長辺ドン詰まりにステージって言うパターンですね。 花道がアリーナ中央部分にまでせり出している事を期待したい。」と予測しましたが、ずばり当たりましたね。
先生:
かなりいい線突いていましたね! 中央の花道だけでなく、左右にスタンド近くで伸びたE型のレイアウトは大正解でした。ステージ近くだけでなく、それぞれせせり出しているところでPerfumeの各メンバーが見れるというのは、三人のPerfumeならではの業。巨大ミラーボールの真ん中の花道で踊る光景は、圧巻でした。
博士:
ステージは長手突き当りにセットされ、そこから左右、正面の3本の花道。前週の大阪城ホールが短辺中央にセットされていたのでどうかと思ったのですが、入場口に大きな間隙がある関係上、このセッティングが代々木的にはベストでしょう。 ただし来賓席がやや遠方から斜で見る形になります。
研究生:
僕の席は舞台正面向かって左側の花道先端のすぐ下となるアリーナ席。9日のライヴでは、この花道先端でかしゆかがつまづきかけ、間が持たないからパンツをいそいそとずり上げてみるというハプニングも発生した、メモリアルプレイスです。また、のっちが近くの客席とはまったく目を合せようとしないこともしっかり確認できた(そして、そのことによって彼女へのファン度をさらにアップできた)、まさにスペシャルなポジションでした。
先生:
無視されると、かえって気になるタイプですね。
研究生:
そうなんです。このタイプはいろいろと気苦労が絶えないので大変なんです。花道周りのアリーナ席の利点ですが、花道周りのアリーナ席の利点は、やはり“Perfumeが近くで観られること”。ところが今回のステージのポイントは音と映像のシンクロでした。その要素を楽しむにはやや不向きな席だったかもしれません。実際の彼女たちの動きとスクリーンに映る映像を延長線上で観れないため、視点はどうしても分散してしまう。またレーザー光線も頭上を通り過ぎていくだけ。演出のスケール感をしっかり感じられたのかとなると、正直疑問です。
結局、今回のステージは、1階席や2階席など全体を俯瞰できる場所でも観たかったなぁという感想が残りました。Perfumeを間近で観られるだけが美味しいわけではない。つまり、それは映像やレーザーなど大バコ仕様の演出がそれだけ魅力的に機能していたことなのだと思います。
そう考えると、両サイド花道脇の一階席は、かなり美味しい席だったのかなーと。
助手:
武道館のライヴの対談のときに「ライヴハウス武道館」というコンセプトにしたことが、大バコならではのパフォーマンスの追及ではなく、あくまでライヴハウスツアーの延長になってしまって、結果的にどちらの利点も活かしきれていない部分もあったか、と。だから、代々木ではあくまで「大バコでのパフォーマンス」を見せてほしい、と。そう言っていたのですが、今回はまさにその期待通り!「大バコ仕様でのPerfume」というものをしっかりと魅せてくれたんじゃないでしょうか? 武道館より格段よかったですよ、今回。
博士:
PAは最近ではもはや常識と成った感があるワンボックス&バーチャルアレイ型、すなわちトーンゾイレのコラム型ですね。もう昔みたいに櫓組んでスピーカーのタワーにしたりしないんです。それが2列ステージ脇に吊ってあるだけで、アリーナ級の代々木第一体育館にしてはやや非力?と思ったのは思い過ごしでした。 びっくりする重低音。体育館の様にライヴな音場では指向性が良いこうしたアレイ型のセッティングが効果的です。
助手:
Perfumeが並みのパフォーマーではないな、と改めて実感したのは、大バコ仕様のパフォーマンスでお客さんとの距離が若干遠くなるかも・・・という心配を、双眼鏡を使ったやりとりや、お客さんいじりによってあっさりと払拭していた点です。
曲やパフォーマンスは大バコ仕様で魅せながら、MCなどの部分でライヴハウスのような近さを演出するという、かなり高度なことをさらっとやってのけてましたよね。この代々木は、Perfumeがさらに次の次元に進んだという区切りになるポイントだと思いました。
あと「1階、2階、アリーナー」のかけあいも「メガネかけてる人、コンタクトの人、Vネック」あたりで少しダレていたのですが、今回はその辺もテンポよくサクサクいってましたよね。Perfumeは確実に進化してます。
先生:
大バコの割りに一体感があったセッティングとパフォーマンスというのが、やはり正解でしたね。