テクノポップ/アーティストインタヴュー

クラウディア・ブラッケン登場!!!(4ページ目)

“地獄からのABBA”とも形容されたプロパガンダの歌姫、クラウディア・ブラッケン登場!ZTT時代の話、そして、世界で初めて公表となるスクープ“プロパガンダ再結成”の構想まで!!!!!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

トレヴァーとポールの役割

ガイド:
トレヴァー・ホーンやポール・モーリーがプロパガンダに果たした役割というのは、どんなものだったのでしょうか。一般的には、やはり彼らがいたからこそZTTが成功し、多くのバンドが熱心なファンを集めたと考えられています。

クラウディア:
わたしにとってはまさに学習って感じだったわね。 わたしたちはニューロマンティックとかは好きじゃなくて、もっとダークだった。ポップなものをプレイするのは好きだったから、そのコントラストは楽しんでいた。ポピュラーミュージックを作りたいと思っていたし、それがまさにトレヴァーの得意なことじゃない? 素晴らしいポップミュージックの冒険者であり一流のプロデューサーで、だからわたしたちのダークな部分が彼をインスパイアして、逆にわたしたちはポップなやり方を彼から学ぶっていう両面があったわ。

彼がプロデュースしたのは実質「Dr. Mabuse」だけで、あとはアルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーという役割で、スティーヴ・リプソンが実際のプロデューサーだったんだけど、例えば「Jewel」を書いていたときにトレヴァーのアドバイスが入って、わたしたちはピアノの前に1ヶ月座りっぱなしで曲の構造をシンプルにする作業をしたの。たくさんのコードで複雑な楽曲からどんどん要素を差し引いていってポップ・ソングにするって作業を。コードが多すぎたの。それはソング・ライティングにおける、トレヴァーから受けた素晴らしいレッスンだったわ。どんどんシンプルに短くしてそこからポップな瞬間を取り出すってこと。とても勉強になったわ。

でも、一番わたしたちが楽しんでいたのは、全く別の2つのもの、ダークさとポップさを混ぜ合わせるっていう作業だった。ストレートでわかりやすいポップっていうのには興味はなくて、ABCとかもすごく尊敬していたけど、わたしたちはもっとずっとダークで、それがリスナーたちがわたしたちに興味を抱いた理由だと思うの。スザンナとわたしは(プレスの前で)絶対笑わないようにしてた。たぶん当時のアーティストだとキュアーとかと近いイメージがあっただろうし、初期のヒューマン・リーグとかに傾倒していたわ。

ZTTほど魅力的なレーベルはないと思ったわ。音楽とサウンドの工場(ファクトリー)よ。アート・オブ・ノイズがこっちのスタジオで作業していて、別のスタジオではフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドが作業している場所の2階のプログラミング用ルームとか小さなスタジオでスティーヴ・リプソンと作業できるなんて、そんな素晴らしいことはなかったわ。本当にモノを生み出すのに最適な場所だった。アーティスト同士がライバル視し合うようなこともなかったし、最高の場所、むしろ最高の遊び場って感じだった。

トレヴァーに関していえば、お金には全く無頓着だった。正直言えば、ビジネスって意味では理解できなかったわ。でも、クリエイティヴさに関していえば、あれほど素晴らしい環境はなかったと思う。驚くべき創作の雰囲気があった。アイディアもそこかしこに溢れていたし。個人的な意見だけど、クリエイティヴってことに関して言えばあの時期の体験は素晴らしかったわ。スティーヴ・リプソンと作業するのも最高だった。ポール・モーリィがスタジオに来て、「デヴィッド・シルヴィアンにこれとあれを頼んでみたらどう?」「そうだねOK。」みたいな感じで、いろんな人が関わりたいと思っていた。みんなトレヴァーを好きだったし、ポール・モーリィをすごく尊敬していた。何かおもしろいことが起きているらしいっていうのを周りの人が察知して、それにみんなが関わりたがっていたわ。スチュワート・コープランドが「Jewel」のドラムとして参加したりね。スタジオに行ったらスチュワート・コープランドがいてびっくりして自分でも「これって現実?」って信じられなかった。

ZTTの素晴らしいところは、何も計算されていなかったってこともあるわね。ポール・モーリィの影響も大きかった。彼はジャーナリストだったから、どうすれば衝撃的か、どうすれば注目を集められるかというセンスが抜群だった。ZTTはポールのそういう経験を買っていた。彼は物事をかき混ぜて挑発するのが得意だったし、世の中で起こっていることに敏感だった。綿密なプランを立てることはなかったけれど、ZTTにあった情熱とエネルギーは計り知れなかったわ。
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