テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~Dream Fighterは応援歌?(11ページ目)

Perfumeの『Dream Fighter』、capsuleの『MORE! MORE! MORE!』、鈴木亜美の『Supreme Show』と11月は、中田ヤスタカPのリリースラッシュ。おなじみの博士と助手を向かえて、一気に3枚レヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

メロディーメーカー

博士:
私は、「change my life」が注目ですね。この曲のアレンジはすごく良い。シンセを使っているので一見エレクトロっぽいのですが、すでにエレクトロの範疇じゃない。印象的でクールなブラスにまるでフュージョンの様なトリッキーなバスドラが重なり、シンセマレットが絡み付いてくる~どの音ひとつとっても隙のない完成された“アレンジ”なんです。とにかくコード構成音をアルペジオだのピコピコだの、何でもかんでも重ねていく巷のエレクトロ系DJとはステージが違いすぎます。

先生:
「LOVE MAIL」は松浦亜弥へのオマージュ(「ドッキドキ!LOVEメール」)というのは、悪い冗談だとして、カイリー・ミノーグっぽい(笑)。

助手:
「change my life」とはまた毛色の違った、80'sっぽいチャラさが魅力的な曲ですよね。イメージではこの曲から後半戦スタートといったところでしょうか。それにしても中田ヤスタカは引き出しが多い!

博士:
ただ次の「LOVE MAIL」が連続じゃないんですね。ここをシームレスにすればもっとかっこいいのですが・・・。前記で“オーソドックス”と言いましたが、正しくは決してそうではないんですね。“テクノ”というアイデンティティを主張するあまり、アナログ臭を誇示するだけで終わってしまいがちな最近のクラブDJ系サウンドが多い中、妙な回顧主義はクソ食らえとばかりしっかり前を見据えたサウンドなんです。ともすればDX-7が出始めてデジタル気分最高潮だった1980年代後半のハウスシーンを思い起こさせてくれるようなポジティブな方向性がありますね。とにかく彼はしっかり“アレンジ”しています。そこが巷のテクノ系とは全然違うところなんです。

先生:
Perfumeの「願い」、MEGの「NATALIE」に相当するのが、鈴木亜美の「flower」となりますかね。やっぱり、中田Pは稀代なるメロディーメイカー。

博士:
前記の「change my life」もそうですがメロディーがいいんですよね。なのにシングルカットが、いかにも中田節丸出しの「ONE」なのかなぁと思ってしまいます。

助手:
これ、そのまんまPerfumeの「Dream Fighter」にも言えますよね。「ONE」や「Dream Fighter」じゃなくて、「flower」や「願い」をリード曲に持ってきて欲しいですよね。このタイミングだからこそ、あえてそこはやって欲しい。これも僕らの「願い」ですね。
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