テクノポップ/アーティストインタヴュー

哀愁対談~笹師範「その日のまえに」出演!(3ページ目)

本秀康さんとの絵本『ヘンなあさ』、大林宣彦監督の『その日のまえに』にも出演した笹公人さん(師範)を迎えて、哀愁について語り合います。よろしく哀愁☆

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

映画初出演!!

先生:
もう一つ、ビッグニュースがありますね。師範は怒涛の映画俳優デビューしたようで。大林宣彦監督の『その日のまえに』で、ヒロインの永作博美さんの兄役で! アヒル口に崇める友人(オカチメンコ助手)がいますが、彼が死ぬほど羨ましがるでしょう。先ず、初出演の感想は?
その日のまえに


師範:
まず、暗記力が弱いので、セリフを覚えるのに苦労しました。しかも直前に急遽セリフが変わったりしたので、もう修羅場でした。Mr.マリックの超記憶術を使わなければ、どうなっていたかわかりません……。たくさんのスタッフがいる前での演技は、かつてないほどに緊張しました。NGを出す度に逃げ出したい気持ちになりました。体の演技を覚えたらセリフが飛ぶし、セリフを意識したら体の演技が飛ぶしで、演技の大変さを思い知りました。俳優って凄いと思いましたね。

そんな僕を見るに見かねてか、大林監督がダジャレを連発して緊張を解いてくださって、それでようやくOKが出ました。監督はとても空気を大切にされる方で、大林映画に漂うあのあたたかい雰囲気の秘密が少しわかったような気がしました。

あれ以来ドラマの見方が変わりました。そういう意味でもとても良い経験をさせて頂いたと思っています。
(左から)笹公人さん、大林監督、柴山智加さん


出演レポート

先生:
映画を見せて頂きましたが、死という大変重いテーマであるにもかかわらず、ふるさとの郷愁のようなほのぼの感がありますね。

師範:
それは、大林監督がこの映画をいま流行りのお涙頂戴ものにはせず、「一生懸命生きました」という死者の誇りをテーマに撮ったからだと思います。そこが新しく、また深いですね。僕は既に6回この映画を観ましたが、観る度に新しい発見があります。泣かせようとする演出はないのですが、それでもジワジワとあたたかい涙があふれてくる不思議な映画になっています。映画館でもほとんどの人が泣いていました。もちろん今回の作品でも大林映画特有のあたたかさ、ほのぼの感はたっぷり味わえると思います。

先生:
師範の役どころはヒロイン・とし子を演じた永作博美さんのお兄さん。頑固お兄さんって感じが出ていましたよ。
(撮影現場)柴山智加さん、笹公人さん


(撮影現場)柴山智加さん、笹公人さん



師範:
ありがとうございます。
一部では、「ねらわれた学園」の手塚真さん以来の怪演と呼ばれていますが……。永作さんに電話で激怒するシーン、緊張の震えが怒りの震えに見えていたらいいなと思っています。あれ以来、テレビなどで永作さんを見る度に親近感が湧いてくるので、映画って不思議だなと思いました。
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