TANSU MATRIX

ガイド:
では、本題に移ります。7月25日にリリースされた最新作『TANSU MATRIX』についてお聞きしたいと思います。今回のアルバム、ゲスト陣、新旧がクロスオーヴァーする機材群とテクノライフ30周年に相応しい内容になっていますね。2曲目の「Hypnotize」に関して「PerfumeサウンドをLogic System流にやってみた」とのコメントがありますが、松武さんからPerfume(中田ヤスタカ)サウンドはどのように評価されているか、ぜひお聞きしたいです。

松武:
Perfumeサウンドをちゃんと研究した訳ではないんですけど、80年代のエレクトロサウンドがまた流行っていることは良いことだと思っています。僕も、今ではテクノ歌謡って呼ばれるようなピコピコした女の子のポップスはだいぶ関わってましたし、そこも含めて集大成ということで(笑)。

ガイド:
この曲に続いていく流れがとても好きです・・・壮大なストリングス系の「Wandering On The Road」~初期Logic Systemを思わせる、今風に言えばエレクトロなロボ声曲「Digiphone」。「Digiphone」は機材的にはどのようなものを使われたのでしょうか?

松武:
VocoderはEMSとRoland VP-550ですね。

ガイド:
当世ロマン歌集
クレジットを見て目に付いたのが、赤池晴子さんの名前です。「桜繚乱」「Nenkororo」という赤池さんにぴったりのレトロなムードが漂う楽曲になっていますね。赤池さんの1992年のアルバム『当世ロマン歌集』で、松武さんはシンセサイザー・プログラマーとして参加されていますが、今回ゲストヴォーカルとして赤池さんに参加されることになった理由は?

松武:
Logic Systemの基本コンセプトである「Asian Techno」サウンドと今回の企画内容に、赤池さんの声質が必要と感じたからです。武藤ありささんも、同じ理由ですね。

初音ミク??

ガイド:
こちらはゲストというか機材というか、初音ミクも登場していますね。今回、初音ミクを使う際、松武さんとして使い方として特に工夫されたところがあれば、教えてください。初音ミク・ユーザーも多いと思いますので、参考にされたい方も多いと思います。

松武:
実は初音ミクではないんです。ヴォーカロイド開発技術者の協力援助を頂いて、販売製品・開発商品を使用しました。ヴォーカロイドは初期製品発売前から関わっているので、プログラムや録音の工夫は色々とコツはあります。一番大事な点は、人間と違うニュアンスを出すプログラムであるということですね。人間そっくりが良いなら、ヴォーカロイドである必要がなくなってしまいますから。『To Gen Kyo ±1』でやった「コーヒー・ルンバ(LET'S TAKE A COFFEE)」も、あえて外国人データのヴォーカロイドに日本語で発声させて、カタコトっぽい面白さを狙ったりしています。初音ミク・ユーザーには・・・『HISTORY OF LOGIC SYSTEM』の「あの素晴らしい愛をもう一度」も聴いてもらえると嬉しいですね。5年前、日本語版ヴォーカロイドが発売される前にこんな使い方してた人間もいるんだと思えば、なんでも出来そうな気がしませんか(笑)?

大人の科学

ガイド:
大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル
大人の科学マガジンふろくシンセ、Gakken SX-150も使われているのを知り驚きました。これはどこでどのように使われたのですか?

松武:
「digiphone」「Land of 1000 Dances 」などなど、思いついた場所ですね。いろいろ試しながら入れてみたので、テクニックを正確にレクチャーすることは出来ませんけど、レコーディングでも使えるんだって証明にはなったかな、と。

ガイド:
シンセを付録というのは松武さんが提案されたんですよね? いや、僕の周りの人達もかなりの人達が買っています。三冊?三台?買った友達もいます(笑)。

松武:
ありがとうございます。アナログで制作するところが重要なんですよね。パソコンの中で使えるものも便利だけど、実際に手にとって動かして音が出る面白さを体感して貰えたらと思ってます。