鈴木亜美再生機構
先生:インディーズとして復帰後、2005年にavexが再生機構として鈴木亜美を引き受けたのは納得がいきます。単にチャート成績だけを見ると、一時ほどではないのは確かです。でも、joinのコラボ企画が始まったあたりからがいいでね。avex移籍後もそれまでは、ちょっとトランスっぽい小室サウンドみたいで正直どうでもよかったんです。
助手:
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鈴木亜美joinsキリンジ
先生:ズバリ、侮れない鈴木亜美!! こっちにタイトルを変えましょう! 特にキリンジの「それもきっとしあわせ」は、スターダム街道から茨の道に追い込まれた鈴木亜美とも被ってしまい、涙腺が緩みます。
助手:
おお!先生もですか。あの曲はホントに泣けますよね。稀代の名曲です。で、このアルバムなんですが、joinしたメンツを見るとこれが非常に興味深い。 グランドロイヤルから出たBaffalo Daughterのアルバム『NEW ROCK』が98年、カジヒデキのファースト・アルバム『ミニスカート』が97年、キリンジとノーザンブライトはデビューが98年、つじあやのは99年。で、さっきも言いましたが鈴木あみがデビューしたのが98年。偶然なのか意識的なのかはわかりませんが、98年前後というのが妙に印象として強いアルバムですよね。ちなみに98年ごろに10代後半から20代前半だった人って、今ちょうど30歳前後なんです。
先生:
ちょうど助手の世代ですね。
助手:
そうなんです。いわゆる氷河世代、ロストジェネレーションです。巷では「R35」なんていうその世代を対象にした懐メロCDが売れたりしているんですが、少しサブカルかじってたような人には「懐メロのCDはちょっと・・・。今の音楽もちゃんと聴いてるし」みたいな面倒な自意識があったりして。そのわりに友達同士で集まると90年代の話をやたらしたりするような。まぁそんな輩にとって、この鈴木亜美のjoinシリーズはまさにド真ん中。変な言い方になってしまいますが、懐メロ的なノスタルジックさを持つ、最新型の素晴らしい音楽というか。
先生:
あみーゴのデビュー時期とも重なりますが、その時はまったく共通項がないのが面白いですね。