テクノポップ/アーティストインタヴュー

東京ゲリラ~白塗り、サブカル、NW(5ページ目)

オムニバス・アルバム『東京ゲリラ』が7月9日にリリース! 航空電子のタバタさん、ピノキヲ、Boogie the マッハモータース、アーバンギャルドの皆さんにインタヴュー。白塗りって何だ?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

アーバンギャルドへ

ガイド:
今回収録の「エクリチュールアバンチュールシュール」は、アーバンギャルドのデビュー・アルバム『処女喪失作』からのセルフカヴァーですね。これをもう一度やってみようと考えた理由は?

松永:
チョコレイトディスコ
まず『処女喪失作』が既に絶版になっていることが挙げられます。『処女喪失作』でもとりわけ人気が高かったナンバーがこの「エクリチュールアバンチュールシュール」でした。

ヌーヴェルヴァーグに想を得て、フレンチという手段とシャンソンという様式をテクノポップで再構築した当曲はアバンギャルドとペダンティックを同時に志向する初期アーバンの代表曲でもあり、このまま埋もらせてしまうにはどうしても惜しいと。しかしながらニューアルバムに入れてしまうのも気が引ける。

であれば今回のような各バンドが代表曲を持ち寄るコンペで再発表してしまうのが一番かなと考えた次第です。
幸運なことに今回ヴォーカルをとったよこたんこと浜崎容子はシャンソン歌手としての経歴もあり、フレンチ度は更に向上したテイクとなりました。レコーディング中、浜崎嬢にはパスカル・ボレルの生霊がのりうつったようです。

よこたん:
初めて「エクリ・・・」を聞いたときから、まるで私の為にあつらえたかのような曲だと思いました。 こうなる事を神様はきっと知っていたのですね。

ガイド:
アレンジやエフェクトがかなり変わっていますね。少女の狂気と妄想が伝わってくるヴァージョンです。

谷地村:
ライヴ「アーバンギャルドの水玉ゲリラ!」
これはですねー、実はアレンジについて天馬と締め切りギリギリまで揉めましてね(笑)。 アルバム制作が終わってから東京ゲリラの締め切りまで時間があまりなくて、半分燃え尽き症候群になっていた僕はなかなかいいアレンジが浮かばなかったんですよ。詳しくは省きますが、冗談抜きで締め切り前日の夜まで天馬と電話で言い合ったり、他のメンバーに根回ししたりして、そんなことしながらアレンジを追い込んでたらなんだか集中力が半端無いことになってしまって、完成直前の2時間の記憶がリアルに無いんですよ(苦笑)。だから伝わってくる狂気と妄想は少女のじゃなくて僕のですね、きっと(笑)。

松永:
少女は二度死ぬ
バンド以外のことでは一切揉めない我々ですが、バンドの事となると毎回喧々諤々の議論を繰り返しております。今回はとりわけ酷かったかも。

制作していた四月はニューアルバム『少女は二度死ぬ』のレコ発ツアーもあり、忙しかったんですよね。で『四月戦争(アルバム最後のナンバーにしてレコ発タイトルでもありました』のあと(いわば戦後!)僕も谷地村もなかなか次の闘争へとシフトできなかった。ゲリラになれなかったというか。

そうこうしているうちに〆切が迫ってきたわけです。〆切当日、タバタさんに陳謝しつつ、谷地村と電話で議論しつつ、楽曲が完成しました。当然ですが、〆切守れなかったのは12組のうち我々だけだったそうです。先生ごめんなさい。

谷地村:
アレンジに費やした時間も実質2日無かったと思います。2度とこんな経験はしたくないですよ(笑)。 音に関して言えば、今回は今までのアーバンにはあまりなかったダンスミュージック的な要素を取り入れてます。ただ4つ打ち系の曲って踊るにはいいけども家でじっくり聞くには耐えないのが多いので、「聞いて楽しめてハコでも踊れる」ってのを目指しました。というわけでDJの皆さん、是非ともハコでヘビロテお願いします!!
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