オヤジトロニクスには毒がある
ガイド:ラストにしてタイトル曲の「青春!ピッコピコピコ」は、ちょっと恥ずかしいテクノ歌謡。
だいたい、「ピコピコ」というのはテクノポップを解しない人がそれを端的表す表現としてよく用いられますが、これを逆手に取るオヤジトロニクスは愉快です。
ウツミ:
あ~。僕も自分がやってる音楽を説明するとき面倒なんで、「ピコピコな感じの。」とか使いますね」
モリヤビッチ:
タイトルナンバーということなんで、オヤジトロニクスのコンセプトを過剰なくらいに分かり易く表現した曲です。ジャケのイメージとも連動してます。未来やロボット、コンピュータなどのテクノ的なテーマを扱うテクノ歌謡はたくさんありますが、「テクノポップをやること」自体を歌った曲というのは実はテクノ歌謡とは似て非なるものですよね。だから、非常にアイロニカルな曲かもしれません。ガイドさんのご指摘の通り「ピコピコ」という言葉を選んだことにも「毒」があります。
クローリアン:
でも、曲はもの凄くポップ。
モリヤビッチ:
ヒット狙ってます(爆笑)。
ウツミ:
そうですね。ローカルFM局に売り込みとかしてるのですが、一押しの曲です。
モリヤビッチ:
あと、説明するまでも無いですが、タイトルは芦原すなおさんの青春デンデケのテクノポップ版というイメージでつけました。
オヤジトロニクスは切ない
ガイド:あんた!また、シンセサイザーで変な音だして!
お願いだからヘッドホンつけてやってよね
もう・・・どうせやるんだったら
冬のソナタみたいなきれいな曲を
弾いてくれればいいのに・・・
・・・というとても切ない台詞がはいりますが、もしかしてこれは奥さんに頼んだとか? だとしたら、さらに切ない。こんなこと言われたら、ぐれますよ普通。
ウツミ:
featuring マダム・モリヤビッチ?
モリヤビッチ:
はい。一食奢るという交換条件で引き受けてもらいました(笑)。
カミさんには、何パターンかやってもらったんですが、あんまりリアルに怒ってる感じのやつはボツにしました(笑)。聞くたびに自分のテンション下がりそうなんで(笑)。
オヤジトロニクスはmixiを使う
ガイド:皆さん、近所に住んでいるオヤジ集団ではないですよね。どのようにトラック作りはされていったのでしょうか?
ウツミ:
MIDIファイルとサウンドファイルを共用サーバー経由で交換を重ねていくパターンですね。
モリヤビッチ:
mixi上にメンバーオンリーの「オヤジトロニクスのたくらみ」というコミュを作って、毎晩遅くまでミーティングを重ねました。
ウツミ:
そうですね。歌詞の断片やちょっとした思い付きのフレーズをアップして、出てきた意見を反映させ積み上げる・・・みたいな。
モリヤビッチ:
それぞれの曲の作曲者がベーシックなトラックを作り、それを基に各メンバーが色々なパートを作っていきました。当然、音のデータはネット上でやりとりしましたが、気軽にデータをやりとり出来るんで、リアルで一緒に作業したとしても大きな違いはないんじゃないかと思います。
クローリアン:
近くに住んでいるかどうかは、テクノポップのレコーディングに関してはもう関係無い時代かも。
モリヤビッチ:
この辺のことは「真夜中のシークレット」という曲で詳しく取り上げてます。