アングラとポップの野合

ガイド:
「NEXTMUSIC AWARDS 2007」でもそのアングラさを評価するコメントに溢れていましたね。
LIVE


松永:
あれは賞そのものより審査員の方々のコメントが何より嬉しかったですね。「丸尾末広」「フレンチポップ」といったワードも、分かってくれてんじゃん、みたいな(笑)。

アーバンギャルドが意識的にしようとしていることは「アングラ」と「ポップ」の野合ですが、それを理解して下さっている方が多かったのが有難かったです。テクノポップって普通、ポップな方向にどんどん行ってしまいますよね。女の子も、どんどんオシャレに、プラスティックになっていってしまう。でもそこで唐突に手首切った女の子に「醜い髪にリボンを」って歌わせる違和感が僕らのオリジナリティではないかなと思っております。ポップに毒を忍ばせる、電子音をピアノやギターで歪ませる。

もはやアングラというジャンルが持ち上げられ、寺山修司が憎んでいた故郷さえ寺山で町おこししている現代だからこそ、ポップだけどアングラ、アングラだけどポップな立ち位置でいたいわけです。

谷地村:
アーバンはビジュアルや歌詞のインパクトが強いのでそれについて言及されることは今までもありましたが、今回はサウンドそのものにも色々コメント頂いていてアレンジ担当として素直に嬉しかったです。 アングラをポップに捉えるといったバンドの姿勢も結構伝わっていたし、審査員の方々とは是非お近づきになりたいものです(笑)。

トレヴァー・ブラウンが受けいれられる国

ガイド:
では、ニューアルバム『少女は二度死ぬ』について。先ずは、ジャケが素晴らしい! これはトレヴァー・ブラウンさんによるものですが、どのような経緯で描いてもらうことになったのですか? 松永さん、マジ好きそうですもんね。
浜崎・松永


松永:
実はトレヴァーは、よこたんからの紹介なんですよ!

よこたん:
元々トレヴァー氏の世界観が好きで、こっそりメールでやりとりした時期があったのです。それで今回、ダメもとでオファーしたら、なんと覚えてくださっていて!快く引き受けてくださいました。アーバンのHPやPVを全てチェックしてくださっていた事を聞いたときは夢のようでしたね。

松永:
僕は80年代YEN界隈で活躍したゲルニカの美術監督にしてイラストレーター・太田螢一画伯の描くジャケットが大好きなのですが(『うわさの人類』も『人外大魔境』もアイロニーがあって、キュートで、秀逸ですよね)トレヴァーのタッチには何処となく彼を思わせる雰囲気があり、前々から気になってました。しかしながら大御所なので、まさかオファーを受けてもらえるとは…という感じです。

ガイド:
あっ、僕も太田画伯は大好きで、ジャケ集めました。T-シャツも売れているらしいですね?

松永:
話題を振って頂きありがとうございます。こちらで販売しております(笑)。トレヴァー・ブラウン画のTシャツとしては、ひょっとして最も安い価格設定かも?かなり売れてますね。

トレヴァーファンの方がCDを買わずにTシャツだけ買っていく、という嬉し悲しい事態も起きております。アーバンのロゴが入っててごめん!みたいな。

ガイド:
彼は幼児芸術で知られるイギリス人ですが、今は日本に移住して活動されているんですよね。やはり、海外は風当たりが強いのでしょうかね。日本なら、トレヴァー・ブラウンは女子にも受け入れられますからね。

松永:
真偽のほどは定かではないですが、聞いた話によると本国では児童ポルノに対する風当たりが強く、当時規制の弱かった日本にやって来た、とのことでした。日本はロリコン大国というか、そういったものをきちんと芸術として認める文化が根付いてますからね。最近は児童ポルノ法が美術やマンガにも適用されるかも、みたいな話もあって、トレヴァー自身もブログで嘆いていますが。

彼の作品が当事者である女の子たちにも受け入れられている現状を見てもらえれば、この文化は国を挙げて庇護するべきものって気もするんですけどね。

「少女」は我々にとっても欠かすことのできないメタファーです。