テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~メディア論(アンチ編)(5ページ目)

今回はアンチPerfumeも含めての雑誌の反応を切ってみました。博士に加えて、元ロック少年、現在Perfume DJの助手も加わって、三人対談です。Perfumeでロックを再考します。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

フェミニズム的論点??

先生:
確かにロックの定義が狭い。

「単なる性の商品化か」というフェミニズム的論点は違和感がありますね。あと、日本のポップスがだめになると言って置きながら、だめでないものがはっきりしないですね。The Slitsとかを比較に出していますね。でも、The Slitsってある意味、ジャケとかでも性を商品化していると思います。いや、どうぞ商品化してくださいと考えます。The Slitsは僕も好きで、日本にThe Slitsのようなアイドルグループが出てきたら、それは痛快ですが、Perfumeと比較しても始まらない。でも、Perfumeってフランスとかでは受け入れる層がいると思います。

Perfumeともうひとつ引き合いに出されていたのが、ミドリ。こちらはsnoozerの中でも自己矛盾を起こしているのが面白い。まぁ、編集長と雑誌の主張は同じである必要性はないですけどね。ヴォーカルの後藤まり子がPerfumeのファンであり、タワーレコードの「No Music No Life」でミドリとPerfumeが共演しているというのも面白いですね。

博士:
ロリコン嗜好への嫌悪とか前提にした売れ筋追求みたいな業界姿勢を憂んでいるように読み取れるのですが、よく読まないと要旨を掴みにくい文面ですね。

例えばちょっとした言い回し・・・Perfumeを終止パヒュームとカタカナで表記したり、近未来テクノアイコン~とかPOPアイコンという言葉が流布している中で女子アイコン・・・なんてやっつけな表現をするあたり、事情を十分調査しないでイメージで語ってる節もあります。

一つ不思議なのはPerfumeのどの段階をさして評しているのかもちょっと謎な点です。一応『ポリリズム』のジャケが掲載されていますが『アキハバラブ』あたりの彼女らをさして言うなら、納得できます。

違和感あるのは、我々にとってはむしろ企業のマス戦略に乗り遅れた自虐的なイメージのある彼女たちを“売れ筋”的なモデルとしてとらえている点ですね。もしかしたら『ポリリズム』でひょこっとデビューしたアイドルユニットと解釈しているのかもしれません。

むしろPerfumeが歩んできた8年の奇跡は、彼らが後半で語るロックの精神に通じるパーマネントな普遍性を感じますけどね。

助手:
博士のおっしゃるとおり、明らかにPerfumeに関して事前の調査をせずに記事を書いているとしか思えないのですが、これは逆に言うと「Perfumeを知らない人の反応」として非常にわかりやすい例ですよね。

ジャンルが確立しすぎているので「アイドル」と聞くだけで、「ああ、萌えね。ヲタね。」というイメージがまず浮かぶんでしょうね。悲しいかな、それが普通の発想なのでしょう。

QJ Vol. 74でのさやわかさんのテキストが一番Perfumeを言い表していると思うのですが、音楽を分類することに慣れすぎて、好きかどうかではなく誰のために作られたかばかり気にしているような現状があると。その中で、「好きだから」という理由でなんでも取り入れて巻き込んでいけるPerfumeは偉大だと。

ボクもホントにそうだと思うんです。Perfumeではじめてアイドルにハマった!という人もいれば、Perfumeではじめてロックフェスに行った!という人もいるだろうし、Perfumeからハウスやテクノの世界にも興味を持った!という人もいる。自分とは違う世界だし、、、みたいな先入観が壊れていってるんですね。素晴らしいことですよ。
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