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ダンボール・バット~男ジャケ!(3ページ目)

あのダンボール・バットが、12月20日に5年ぶりのアルバム『コンピューター・ベルリン』をリリース! 永遠のロック野郎、AMIさんに吼えて頂きました。男ジャケ特集もあり!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

90%曲名ありき

ガイド:
話を続けましょう。オープニング「人間のスキャンダル」から飛ばしていますね。あえて、人間にしかないスキャンダルに対して「人間のスキャンダル」と言ってのける。いや、人間はスキャンダルそのものであるというロックなメッセージが感じられます。AMIさんにとって理想のスキャンダルとは? ぜひ、ご自身を想定してください。

AMI:
オレなんか、自称「負け犬ロッカー」ですから、そもそも器(人間)がちっちゃいですからね、スキャンダルどころじゃないです。日々生きるのが精一杯。生きてるだけでスキャンダル!って感じです(笑)。ちなみに、この曲は、初期ルースターズと初期ウルトラヴォックス!が合体してそれをコニー・プランクがピコピコ・アレンジでプロデュースした感じ・・・っていう勝手な妄想から出来たナンバー。曲名はふと頭に浮かんだだけのもの。 オレの場合、90パーセントが始めに曲名ありきで、曲名を決めてから歌詞なりサウンドを組み立てていくんです。

ガイド:
続くタイトル・チューン「コンピューター・ベルリン」は、意表を突かれました。コンピューターを言えば、無機質なんですが、これはリーゼントとコンピューターが混在する汗と血にまみれたコンピューター・ソング。しかし、どうしてベルリンなんですか?

AMI:
これも最初に曲名ありきのナンバー。コンピュータとベルリン・・・単なる語呂合わせなんだけど、妙なカッコよさがあるなと思って早速曲名に採用。ドイツ=クラフトワーク=コンピュータって安易なイメージから来てる部分が大なんですが、あえて無機質を捨て去り、あくまで肉感的に下世話に攻めてみました。

皮ジャン、バイク、リーゼント、女、そして、コンピュータにベルリン・・・と。なんか繋がる感じしません(笑)?強引かな。近未来感とやさぐれ感を合体させたかった。もともとは初期のZZ-TOPを聴いていて閃いたサウンドなんです。でも、後半部分では偽デヴィッド・ボウイを気取って歌ってみたりして、結局意味不明なんですけど。ちなみに、イントロでのバイクのSEはピンクフロイドの「原始心母」のイントロへのオマージュになってるんですけど、誰も気づいてくれないのが難点(笑)。

永遠のロリータ

ガイド:
3曲目の「LOLITA」・・・ロリータって日本ではなんか誤解されていると常々思っています。AMIさんにとって永遠のロリータとは?

AMI:
メロディ・ネルソンの物語
敬愛するゲンズブールの「メロディ・ネルソン」が始めに思い浮かびますが、永遠のロリータ・・・男も60(歳)ぐらいにならないと分からない気がしますね。ちなみにこの曲はオレの好きな特異な画家ヘンリー・ダーガーの諸作を見て思いついたんです。裸の少女たちが大人たちに拷問を受けたり逆に戦ったり血と花が入り乱れた暴力的なのに夢物語のような世界を淡い水彩画で描く画風が独特なんですけどね。

で、曲のほうは、なぜか、クリス・スペディングのソロアルバムを聴いているときに思いついたんですが、だからといって、別にクリス・スペディングっぽくない曲に仕上がったのがオレらしいところです(笑)。

インスト入れたい派

ガイド:
5曲目の「午前3時のピロウトーク」、7曲目の「塩の河」は意外な事にインスト、しかも5曲目はドイツ的インダストリアル感、7曲目は無国籍感があります。このテイストはどこから?

AMI:
アルバムに必ず1曲はインスト入れたい派なんです、オレ。今回、ほとんど「やっつけ」で作ったインスト小品を2曲入れてみました。5曲目は、マニュエル・ゲッチングがもしZTTレーベルからリリースしてたらこんな感じ?(笑)的なエレクトロニカな1曲。

7曲目は、インチキ中近東ナンバーで、アルバムの無国籍感を演出したかったので即興で作って急遽入れてみました。イスラム教のコーランのCDやイランの民族音楽のCDもたまに聴くんですが、あとは、クラムド・ディスクのミニマル・コンパクトあたりのイメージも入ってます。
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