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プノンペンモデル再開(4ページ目)

結成のエピソードからして予測不可能なバンド、プノンペンモデル。そんな彼らが突然、『General Midge』をリリース。黒色すみれとのプノンペン式コラボにも注目!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

プノンペンモデル再開

ガイド:
General Midge
プノンペンモデルの久しぶりの新作『General Midge』のリリースおめでとうございます。2000年の『東雲(しののめ)』以来ですから、かなりブランクが空きましたよね。今回は、谷口さんとことぶきさんの二人ですが、再開された理由は?

ことぶき光:
僕にはやりたい音楽がありません。具体的な誰かに向かってしか創れない。ポップミュージックはハイアートと呼ばれる音楽をシリメに、進化を続けてると思ってるんだけど、その進化ってのは、現在地になんか興味の無い連中が造り上げた進化であり、理屈なんてカンケーなぃストリートの音楽が、科学技術の浸透によって、本来完成度だけが評価の対象だったポップミュージックと合体した結果なんぢゃないか、と。で、もって重要なのは、それが断じてフュージョンなんかぢゃなく、フェイクだってこと。フュージョンには全く可能性が無いんで、僕には、僕が騙しても喜んでくれる具体的な誰かが必要だった。それもできれば古い友人が。

ガイド:
ジャケットは世界地図に戦車。「BURGER GAME」の歌詞からは、グローバルな商業主義への批判が読み取れます。このままでは飲み込まれてしまうと言う憂いが強いのでしょうか?

ことぶき光:
たぶんアメリカのことを指してると思うんですが、まず、アメリカはローカルな個人主義の国です。で、アメリカはその成り立ちからしてダブルバインドを包含しています。実力以上の資産を持っちゃった地方議員みたいなもんでしょね、人が実力以上に現場をコントロールしようとしている時、それが墓穴だと教えてあげられるのは他人しかいません。
だから、一神教どぅしの争いに、本来であればわざわざチョッカイ出すこたぁ無い八百万の国がクチ出さなければならない。
「BURGER GAME」とは、さすがウマぃことゆぅなって思ってますが、ファーストフードが商業主義の象徴ならば、スローフードは排外主義の象徴なんだから、本来どっちも同じようなもんです。ただ、どっちもオカシイだろっってのは、言い続けにゃならん。ってことかなと思うんだけど、ど?

谷口マルタ正明:
『General Midge』というアルバムタイトルはことぶき君が考えたのですが「どういう意味」と聞くと「一般的なちび」という答えでした。ですが,、Generalには将軍という意味もあり「ちっぽけな将軍」というイメージが生まれ、歌詞が出来上がって行きました。ちなみにジャケットを担当した松本君は、デザインをするにあたり電話をかけてきて「『General Midge』ってのは、ブッシュのこと?それとも君たちのこと?」と聞いてきました。僕は「どっちでも、好きな方でいいよ」と答えました。

ガイド:
サウンド的には以前よりも攻撃的でブレイクコア的要素も強いですね。ブレイクコア的なものは多少意識されたのでしょうか?

ことぶき光:
ブレイクコア?なんでしょうかそれ。かっこぃー言葉ですね。
10年前に同じような状況で「ドラムンベースですね」と言われた時も、「え?、ベース入ってませんが。」と答えた記憶があるんですが、ともかくそのへん無知です。あまりに知らないから自分で発明したような錯覚に陥る、それが結構モチベーションとして有効なもんで、無知ってのもそんな悪くはなぃなあと思ってます。し、仮に知っていたとしても、中途半端に知ってるほぉが面白いもんできるよーな気もします。ガイコクの日本食レストランみたいにね。
ことぶき

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