テクノポップ/90年代以降のテクノポップ

DRIVE TO 2000(3ページ目)

1999年10月に開催された「DRIVE TO 2000」から紐解く、80年代ニューウェイヴとネオ・ニューウェイヴ。QYPTHONE特集も併設。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

QYPTHONE

QYPTHONE
QYPTHONEって書いてキップソーンと読みます。意味はGoogleって調べたけれど、バンド名としてのQYPTHONEしか検索されず、断念。1996年に結成されました。デビュー・ミニアルバム『QYPTHONE』(1998年)から読み取ると、その時点でメンバーは5人ですが、大河原泉をシンボル、中塚武をコンセプトと位置づけています。QYPTHONEはあまりネオ・ニューウェイヴな香りはしません。ポスト渋谷系・・・ピチカート・ファイヴの遺伝子を感じます。ライナーノーツで、『SUSHI 4004』にも参加したよしみのbangalowレーベル主宰のLe Hammond Infernoが、「ピチカート・ファイヴの子供がついに狂ったように聴こえる」と形容しています。

MODERNICA IN THE HOUSE!
ORGANIC SOUND THEATRE
続いて、『ORGANIC SOUND THEATRE』(1999年)、『MODERNICA IN THE HOUSE!』(2000年)とミニアルバムをリリース。

EPISODE 1~QYPTHONE EARLY COMPLETE~
初期の3枚のミニアルバムを2枚のCDにボーナス付きで収めたのが、『EPISODE 1~QYPTHONE EARLY COMPLETE~』(2005年)。QYPTHONEのハッピーチューンがギッシリ詰まっていますので、お勧めです。

Montuno no.5
QYPTHONEとしては、『Montuno no.5』(2002年)が最新オリジナル・アルバムです。ハッピーチューンからジャジーなメローチューン中心になって、アメリカ・ヨーロッパでもリリースされました。また、リーダーの中塚武は、ソロとしても平行活動しています。

tribute to yes,mama ok?
余談ですが、今やフィンランド生まれのエアギター世界選手権4位入賞という輝かしい経歴を誇る日本を代表するエアギタリスト、金剛地武志! 最近、TVや雑誌ででもよくお見かけします。正直、yes,mama ok?として「春咲小紅」(チャレンジ精神溢れるバカなカヴァーです)や「ラジオスターの悲劇」(結構忠実にやっています)などをカヴァーしていた頃にこんなブレイクするとは予想していませんでした。Our Hourも含め、両者を輩出したL&DKレーベルは、侮れないです。話は長くなりましたが、QYPTHONEは、そのyes, mama okay?と『O.S.T.e.p.』(2000年)にスプリット・シングルも出しています。2006年4月にリリースされたyes, mama ok?へのトリビュート『tribute to yes, mama ok?』にもQYPTHONEは、Our HourやMacdonald Duck Eclairに混じって参加しています。

QYPTHONEは、現在のcapusleなどにも通じるフューチャーポップのプロトタイプだと思います。歴史とは結局繋がるのです。

QYPTHONE
ラーメンニッポン(自称「ラーメン大王」、中塚武氏による解説)
tribute to yes, mama ok? official website
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