ポストABBA?
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Look Sharp! |
ABBAに続いたのは? スウェーデンに留学したアメリカ人が持ち帰ったCDが元となって「The Look」でブレイクしたロクセット(Roxette)は1989年、ABBAに次ぐ成功を収めました。その後もヒットを連打し、「愛のぬくもり」はラヴソングの定番になりました。ロクセットはペール・ゲッスル(Per Gessle)とマリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)からなる男女二人組ですが、ヴォーカル女性、マリー・フレデリクソンは、2002年の脳腫瘍を患いながらも、復活し本国を中心にソロ活動をしています。また、ペールは元ABBAのマネージャー に見出されバンドを結成したらしいです。
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Singles Of The 90's |
Ace Of Baseはその編成からしても90年代版ABBAと言えるでしょう。セカンド・シングル「All That She Wants」でブレイク、デビュー・アルバム『Happy Nation(日本ではThe Sign)』は全世界で2,300万枚のメガヒットとなりました。サウンドはちょっとゆるめのレゲエビートを取り入れたユーロポップで、比較的最近ですがBananaramaの「Cruel Summer」もカヴァーしていました。意外と寡作でオリジナル・アルバムは現在までに4作品です。5作目を製作中のようです。
狭義のスウェーディッシュポップ
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Life |
90年代、スウェーデッシュポップは特に日本では狂騒とも言える大ブームが起こりました。ABBAとかも含めてスウェーデンのポップと言う意味で使う場合もありますが、狭義にはカジ・ヒデキやカヒミ・カリィなどの当時の渋谷系の人たちに影響を与えた90年代のスウェーデンのギターポップ系バンドたちのサウンド。北欧の渋谷系などと呼ぶ人もいました。カーディガンズ(The Cardigans)、クラウドベリー・ジャム(Cloudberry Jam)などのタンバリンスタジオ系が代表格ですが、かなりマイナーなバンドたちもいたようです。相当売れたと思うのですが、所謂、スウェーデッシュポップのコレクターではない僕も、カーディガンズの『Life』(1995年)は所有しています。
そして世界的に活躍したプロデューサー、トーレ・ヨハンソン(Tore Johansson)はキーマンと言えます。原田知世、BONNIE PINK、つじあやのなどの日本人アーティストもトーレにプロデュースを依頼。ルクプルなんかもやっているんですね・・・ 最近のトーレの功績としては、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)のデビュー・アルバムを手がけましたね。ABBAにも言えることですが、ビートルズを継承しながら、メランコリックなサウンドは日本人好みです。
スウェーデンからの女スパイ
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The Dossier On Virna Lindt |
スウェーデッシュポップではありませんが、個人的には、スウェーデンの歌う女スパイ、COMPACT ORGANISATIONのヴァーナ・リント(Virna Lindt)が一押しです。ピチカート・ファイヴなどとは繋がるのでこちらの方が、北欧の渋谷系ではないでしょうか? 彼女の『Attention To Stockholm』はCOMPACTから第1号シングル。COMPACTから『Shiver』(1984年)、『Play/Record』(1985年)の2枚のアルバムをリリースしています。日本のWAVEからは、『The Dossier On Virna Lindt』(1989年)という彼女の集大成盤がリリースされています。残念ながら、現在は入手は難しいです。
最近では、その昔ロック不毛の地と言われた(厳密にはヘビメタの聖地なんでそうでもない)スウェーデンからハイヴス(The Hives)などのネオ・ガレージ系も人気が出ております。今回は、ざっとスウェーデンの大きな流れを掴みましたが、次回は更に80年代から脈々と続くシンセポップ・シーンに焦点を当てたいと思います。
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Hello! Surprise! - guide to swedish pop music