いかすぜ!セニョール

そんな中、YMOのメンバーも参加してリリースされた豪華なYMOカヴァー・アルバムがセニョール・ココナッツ・アンド・ヒズ・オーケストラ(Senor Coconuts And His Orchestra~以下、長ったらしいので、セニョール・ココナッツ)による『プレイズYMO(Yellow Fever!)』(2006年)であります。

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Yellow Fever!
01. My Name Is Coco
02. YELLOW MAGIC (TONG POO) feat. 坂本龍一&Jonge Gonzalez
03. Coco Agogo feat. Akufen & Jonge Gonzalez
04. LIMBO feat. 高橋幸宏
05. What is Coconut?
06. BEHIND THE MASK
07. El Coco Rallado
08 PURE JAM
09 Mambo Numerique feat. Towa Tei & Marina
10. SIMOON feat. Mouse on Mars
10. El Coco Loco feat. Burnt Frideman
11. THE MADMEN feat 細野晴臣
12. What is Coconut? feat. Constanza Marinez
13. MUSIC PLANS(音楽の計画)
14. Breaking Music feat. Dandy Jack & Schneider TM
15. RYDEEN
16. El Coco Roto
17. ONGAKU(音楽)
18. What is Coconut? feat. Towa Tei
19. FIRECRACKER feat. Lisa Carbon
20. BEHIND THE MASK (Single Mix)*
21. LIMBO (Inst. Version)*
22. THE MADMEN (Inst. Version)*
23. ONGAKU (Inst. Version)*
24. SIMOON (Inst. Version)*


セニョール・ココナッツとはアトム・ハート(Atom Heart)。細野晴臣、アトム・ハート、テツ・イノウエの三人でHATという名義で、細野氏のdaisyworldから『Tokyo-Frankfurt-New York』(1996年)と『DSP Holiday』(1998年)という2枚のアルバムをリリースしていますから、アトム・ハートはある意味YMO人脈に既にいる人。セニョール・ココナッツとしては、『EL GRAN BAILE』(1997年)という高速ラテン・ブレイクビーツなアルバムでデビュー。

EL BAILE ALEMAN
2枚目では、目から鱗的なクラフトワークの陽気なラテン・カヴァーという偉業を『EL BAILE ALEMAN(邦題:German Dance)』(2000年)で達成。クラフトワークの原曲のもつ魅力をラテン・カヴァーにすることにより再発見させてくれました。続く『FIESTA SONG』(2003年)では、ディープ・パープル、マイケル・ジャクソン、シャデーなどをまたまたラテン・カヴァー! こうなると、クラフトワーク、ディーヴォ、ゲイリー・ニューマンをピアノ・カヴァーし続けた、テリコ先生ことテーリ・テムリッツ(Terre Thaemlitz)状態です。

さて、本アルバムに戻りましょう。はっきり言って素晴らしいです。極端に釣り目の東洋女がカーニヴァル衣装で踊っているジャケ。中ジャケでは“増殖”しております。

クラフトワークもYMOもテクノポップの代表選手ですが、セニョール・ココナッツのカヴァーによってこの二つの違いが際立ちます。YMOはクラフトワークと比べてエキゾチック音楽の要素が強く、全体的にカヴァーという意識をせずにしっくりと聴けます。どちらがより良いという話ではなく、つまりどちらも良いのですが・・・YMOが東洋というフィルターを使ったテクノポップであった訳ですが、セニョール・ココナッツはラテンのフィルターを通してそのYMOをおいしく料理しています。「Firecracker」などは、もともとマーティン・デニーのエキゾ音楽ですからね。

選曲もこだわりが感じられます。「東風」「Rydeen」などの代表作も押さえながらも、カヴァーされる事が少ない、「Limbo」(高橋幸宏が歌う)、「The Madmen」(細野晴臣が歌う)、「Pure Jam」「音楽の計画」などを取り上げてくれたのは、流石と言えます。インタールードでは、YMO以外の曲も挟んで、sonarでもいっしょだったテイ・トウワとNouvelle Vagueの女性ヴォーカルのマリナによる「Mambo Numerique」やスネークマン・ショー風ギャグも交えています。こだわりを感じる21世紀最高のYMOトリビュート・アルバムに認定いたします。

まだありますよ、YMOカヴァー!