テクノポップ/アーティストインタヴュー

SL@yRe&The Feminine Stoolξ(2ページ目)

神経内科医とコンピューター・プログラマーからなる、ブロードバンド・コラージュ・デュオが繰り広げる繊細かつ骨太なエレクトロニカ・サウンド。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

RADIO SAKAMOTO

――2004年にはコンピレーション『DOCUMENTO -RADIO SAKAMAOTO-』にSL@yRe&The Feminine Stoolξ名義での曲「Polka Dots & Sl@yremoonbeams」が収録されますが、これはJ-WAVE「RADIO SAKAMOTO」でのオーディションに応募されたのですね。いつ頃応募されたのでしょうか? また、応募された時点での自信の程は?

K:最初に出来たのがこの曲でした。自分なりに、もらったトラックの原型をどこまで壊せるかというテーマを勝手に設けて、切り刻み続けた結末がこの曲です。けれどどこまで千切っても元のトラックの雰囲気が残り漂っているのは不思議なものだなとおもいます。しかし初々しい話ですがちょっとやりすぎてしまった感じがしていて、相方に聴かせるまでは、「こりゃ怒られるんじゃないか」とドキドキしたほどです。おもえば今のスタイルをある程度方向づけた作品とも言えます。いまだに「やりすぎ」感・「刻みすぎたんじゃないか」感があったりするものですから。でもそれは気のせいだったりするし、今回はうまくいったと思った時に実はやりすぎていたりします。難しいものですね。

S:確か応募したのは2003年12月です。作っている途中だったんですが、時間がなくなってしまい、やむを得ず途中でフェードアウトさせたものを応募しました。Kawatoryから「とりあえず途中だけど」みたいな感じで戻ってきたファイルを聞いた時、あまりにラジカルに変化していてビックリしました。やっぱり思った通り「リアル」な男だと。巨匠の創作の舞台裏を垣間見た思いでした。自信は・・・作品が良いとか悪いとか、あるいはオーディションで選ばれるとか・・・こればっかりは自分で判断出来るものではないので何とも言えません。ただ、あの曲に関しては、僕は個人的に「ありそうでない、今まで聞いたことがない音楽だなぁ」とは思っていました。

――各々のソロもコンピに収録されていますが、Kawatoryさんの「Kawatory」は阪神タイガーズの川籐幸三氏から著作権的にもクリアできた収録可能になったらしいですが、どのような部分が問題となったのでしょうか? 当然、Kawatoryさんは阪神ファン?

K:あのトラックには川藤さんが野球解説をしている声がふんだんに散りばめられています。ある日テレビから聴こえてきた実況中継の彼の話声を聴いて衝撃を受けたんです。聴いたことのない楽器の音色、もしくは新しい音楽ジャンルに出会ったような衝撃でした。イントネーションや緩急、抑揚、絶妙な言葉の選択や豊かな倍音など音楽的な要素に充ち満ちていて。肉声というものに興味をもつきっかけにもなった決定的な事件でした。早速彼の声を取り込み、変調したりズタズタにしたりあるいはそのまま貼り付けて凶暴なビートの断片にのせて組み立てていきました。
 
熱心な野球ファンであるとよく誤解をされますが残念ながらあまり詳しくないのが実情です。けれど熱心な川藤ファンになったことは間違いないですし、この事件以後はすっかり自称阪神ファンを公言してます。詳しくないですけど。

――坂本さんは、坂本龍一氏の『CHASM』にも収録された「the land song-music for Artelligent City」のリミックスをされていますね。確かこれは元々六本木ヒルズをイメージに作った曲だと思いますが、リミックスをしようとした理由は?

いかにも教授らしい良い曲だなぁと思ったのと、リミックスするならこんな感じ、というイメージがすぐに思い浮かんだのでやりました。気分としては、教授に僕なりの直球を返したら受け止めてもらえるかな?でした。直球と思いながら作りましたが、振り返ってみると全体の印象としては、直球とも変化球とも言い難い良く分からない感じになっているかもしれません。
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