ウェストコースト系レゲエ歌謡
【先生】80年代前半レゲエ歌謡、もうありませんかね。最近、200円で仕入れてきたんですが、のりお・よしおのシングル『MAIDO』(1981年)のB面収録「カモナ・ペーパー」は、ベン・E・キングの曲に上方よしおが歌詞をつけ、増田俊郎がレゲエ編曲していますね。実は、まだ若かりし頃、増田俊郎は友達が好きだったので結構聴いていました。関西で特に人気があったと思います。で、彼の2枚のアルバム『Good Bye』と『Crossbreed』を聴き直してみたのですが、レゲエ歌謡と認定できるものはなかったです。しかし、日本のウェストコースト系ソフトロックとして良質アルバムですが。【山本】「カモナ・ペーパー」は盲点でした。fuukuudaaさんに指摘されるまで私も気付いてませんでした。ところで増田俊郎で思い出したんですが、ウェストコースト系レゲエで一曲いいのがあります。 ミルキー・ウェイというデュオのアルバム『サマータイム・ラブ・ソング』(1983年)に収録されたパーシー・フェイス楽団のカヴァー曲「夏の日の恋」がそれです。基本的には、清涼日本語ウェストコースト・ハーモニー・ポップなのですが、味付け程度にレゲエを導入してます。松下誠が在籍したミルキー・ウェイについては色々と語りたいのですが、レゲエ歌謡とはあまり関係ないのでまたの機会に。
【先生】ウェストコースト系と言えば、80年代にアルバムを2枚出したFAY'Sという3人組バンドをご存知でしょうか? 70年代に和製エリック・カルメンと呼ばれていたらしい荒木和作&やまだあきらという名義でも活動していた人が発展したバンドのようです。ファースト・アルバムの『I Don't Like Summer』(1980年)は、曲によってニューウェイヴの調味料が微妙に味付けされたウェストコースト風ソフトロック。「I Don't Like Summer」はエレポップ、そして「ジャマイカン・ラブソング」はレゲエポップ(10ccあたりに触発されたのか?)といった具合。
セカンド・アルバム『Retreat Music』(1981年)では、「木影のサーファーガール」「サーフラッシュ」などのサーフソングに混じって、POLICEっぽいレゲエ歌謡が「愛すれど恋すれど」。他にもニューウェイヴ崩れのアフタービートが随所に見られ、彼らこそ、隠れた先鋭的ウェストコースト系レゲエ歌謡の探求者かもしれません(かなり意味不明です)。