プロデューサー加藤和彦
それから、エレキ歌謡がニューウェイヴ化したベンチャーズの隠れた名盤『カメレオン』(1980年)も、加藤和彦プロデュースですね。【山本】かつての大ヒット曲「二人の銀座」(歌:和泉雅子と山内賢、1967年)や、007シリーズのテーマ「GOLDFINGER」(1964年)もレゲエ・アレンジで収録されてます。高橋幸宏の「スイミング・スクールの美人教師」は元々このアルバムのために書かれた曲でした。
【先生】加藤和彦なら他にも他にもニューウェイヴ・レゲエ系プロデュースをしているだろうと、聴いてみてやっぱりしていたのが、佐藤奈々子のニューウェイヴ・ユニット、SPYですね。唯一のアルバム『SPY』(1980年)では、「ピンホール・ドリーム」、「太陽とマヌカン」や「レイジー・セクレタリー」などはレゲエ度が高いです。タイトルのつけ方とかは、早すぎた渋谷系って感じでナイスです。
【山本】スパイ・ムービー、フレンチ・ポップ、ウィスパー・ヴォイスなどなど、それ的な要素満載ですもんね。
【先生】同じく、加藤和彦がプロデュースしたイミテーションのファーストアルバム『Original』(1980年)。サディスティックスの今井裕を中心にチーボーをフロントにした無国籍系ニューウェイヴ・バンドですが、「Aqua-Gua」や「I'm Gonna Knock On Your Gun」はニューウェイヴ・レゲエですね。シングル・リリースされた「恋の片道キップ」は、アルバムには無いポップな曲ですが、スカ・ビートですね。
【山本】サディスティック・ミカ・バンドの元メンバーたちは、流石にいい仕事してますね。もちろん、レゲエに限った話ではありませんが。
やっぱり、サディスティック・ミカ・バンドでも
【先生】サディスティック・ミカ・バンドと言えば、忘れてはいけないアーリー・レゲエ歌謡があります。デビュー・アルバム『Sadistic Mika Band』(1973年)では、「恋のミルキーウェイ」というレゲエ・チューンを既にやっていますね。流石! 本人も「relax 2006年6月号 ラヴァーズ・ロック特集」でマルコム・マクラレンにレゲエクラブに連れて行ってもらったのがきっかけだと言っていますね。同年には、泉谷しげるのアルバム『光と影』(1973年)で、「君の便りは南風」というもう一つのアーリー・レゲエ歌謡を手がけていますね。【山本】早っ!加藤氏のアンテナの鋭さはやはり、海外での活動の賜物なんでしょうね。あとのメンバーはどうでしょう?