女優・川上史津子
Photo by Chieko Ishizawa |
本当にまだ幼い頃から、お芝居やTVドラマが大好きだったんです。久世光彦さん演出の『ムー』『ムー一族』や『寺内貫太郎一家』とか。マセガキでした(笑)。演じる側への憧れが漠然とあって、小学校・中学校とずっと演劇部でした。中1で劇団四季の『CATS』の日本初演を観た時、客席に猫がやってきて握手をしてくれたのですが、「ああ、私はアッチ(握手を"する")側に行こう!」と、心に決めた事を覚えています。『ガラスの仮面』も、リアルタイムでした。いつの間にか、マヤちゃんの年齢はおろか、紫のバラの人の年も越えちゃいましたけど(笑)。
高校では音楽部でした。オーケストラと合唱に分かれていて、文化祭でオペラを上演するんです。私は合唱班にいて、2年生の時にはオペラのソリストを勤めました。マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」のローラという、男ったらしの役(笑)。出番はホンのちょびっとだったんですが。高校の3年間は、クラシックバレエと声楽を習っていました。お芝居の役に立つと思いまして。
――シェイクスピア原作・窪田あつこ脚本・演出によるアイ・ドリングストップ花歌マジックトラベラー公演『夏の夜の夢のよう~朝が来る前に妖精を消せ~』では、アマゾン族の女王、ヒポリタ役をされていましたね。演劇にさほど詳しくない私ですが、2時間半という時間がめくるめく経っていきました。とても、舞台栄えするお顔立ちですね。女優としての舞台の魅力は何なんでしょう?
ありがとうございます。化粧を取ると同一人物だと思ってもらえない程、化粧映えするんです、ワタシ(笑)。
これはあながち冗談では無くて、衣装やメイク、小道具、装置、照明、音楽、そしてもちろん相手役との交流・・・。演者はあらゆるものの力を借りて舞台の上に幻を創り上げる。そうして目の前のお客様に、日常から離れた夢のひとときを味わって頂く。これこそが演劇の醍醐味だと思っています。・・・な~んて、カッコ良すぎ(笑)?