テクノポップ/アーティストインタヴュー

音楽的郵便屋~G.RINAさん(6ページ目)

『サーカスの娘』、そのリミックス・アルバムに続く、音楽郵便屋G.RINAさんが1月19日に届ける待望の新作『漂流上手』についてさらに伺いました。(2005年1月16日追記)

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

待望のセカンド『漂流上手』

渾身のセカンド・アルバムのリリースを1月19日に控えた、G.RINAさんにリリース記念インタヴューを再度、お願いしました。

01. 山の手マジックカーペットライド(日本語編)
02. 東京(みやこ)のジプシー
03. ポータブルホープ
04. 手紙
05. 夕凪のサルベーション
06. 漂流上手
07. でこらてぃヴらヴ
08. ドクター桃蜜(ネクター)
09. ものがたり
10. 春は無罪!
11. 大丈夫だよ
12. 踊り子ネイキッド
13. 山の手マジックカーペットライド(英語編)


新しい表情のG.RINAさん

――前回のインタヴューで、セカンド・アルバムの構想をお伺いして、とても期待していました。そして、いい意味で見事に裏切られたって感じです。ジャケも、ファーストとはかなり違う表情のG.RINAさん・・・ヴィジュアル的コンセプトとかはあったのでしょうか?

今回のアルバムは写真家の梅川良満さんに撮ってもらいたいなーというビジョンが自分の中にあって、直接コンタクトを取ってみたんですよ。で、梅川さんには自分からでてくるものを吸い上げてもらえた感じです。

デザインの峯川さんも、「漂流上手」をすごく聴いてくれて、その音楽に対してパワーをぶつけてくれた。結果的に、前回とは対称的な雰囲気になって、いろんなところに工夫が隠されてて、本当に嬉しいです。

――クリスマス・イヴに先行シングルとしてリリースされた「山の手マジックカーペットライド」が1曲目ですが、ジャジーな演奏でG.RINAさんが繰り出すある意味で英語的語感を持った日本語歌詞がとても心地よいです。この曲だけは、日本語編と英語編がありますが、どちらが先に出来たのでしょうか? また、The Big Fishによるインスト・ヴァージョンも別リリースされますね。

日本語編をつくったのは、2、3年前なんです。今回のシングルの為に英語編は後から作りました。どちらも言葉遊びとほんの少しのエロティックさを求めて つくってみました。

――タイトル・トラックでもある「漂流上手」は、エレクトロニカな手法で見事に料理された歌謡曲だと思います。この曲をアルバム・タイトルに選ばれた理由は?

そもそもタイトルとインストの状態の曲は別々に存在していて。歌詞を書くときに、ふたつを結婚させたんですよ。運命の出会いですね。ぱんぱかぱ~ん

この言葉がタイトルなのは、皮肉ですよ。わたしは究極の漂流下手ですから。あらゆる意味で落ち着かない日々に、自分なりになんらかの漂着点を誰もが探していると思うし、その探索に疲れるときもある。そんなとき、漂流者の一人で もあるわたしの音楽でちょっと楽になってほしいなと思って。

――「ドクター桃蜜」は、『A GIRL FROM A CIRCUS -REMIXES-』の特別付録7インチに収録の「Dr. Nector」の日本語版ですね。最近、「次はレゲエ歌謡!」とか、わたくしは言っておりますが、これは素晴らしいレゲエ歌謡です。G.RINAさんは、レゲエ、ダブの要素もファースト・アルバムから取り込んでおられますが、レゲエとの出会い、そしてお気に入りのレゲエ・アーティストなどがおられれば、教えてください。

そうですか、ありがとうございます。ボブ・マーリーとかは早くから聴いていたし、大学生のときにジャマイカにも行ったんですが、本当に好きになったのはもっと後でしたね。オーガスタス・パブロの「GoodLooking Dub」との出会い、5年前くらい。

DJするときはラガ・ジャングルやダブとかダンスホールとかが好きで。だからUK寄りになるんでしょうけど。ルーツ・レゲエよりは今様のミクスチャーなものが好きなんです。あとは単純にショーン・ポールとかってアガるんですもの。

――アルバムの中では新境地を感じたのが、「春は無罪」です。東京サブカルチャーの匂いがする21世紀のニューウェイヴ昭和歌謡って感じです。もちろん、G.RINAさんの中ではしたためてこられた物なので、それは自分の一面を出したという事だけかも知れませんが・・・ わたくしのような世代には郷愁があります。

そうですか、興味深いですね。母もこの曲がすきです。ラテン風味のソウルを今わたしだったらどうやるか、という意識だったので、サブカルチャーというのは意外ですけれど。メロディに郷愁はあるかもしれないですね。昭和歌謡というのは、歌詞のことばが若干古風なせいでそう思われるんでしょうね。でもコンセプトでやっている訳ではないので、自分の中では、徹底的な暗さとポジティブさがクラッシュしている曲だなあと。

――アルバム発売にともなう、今後の予定などございましたら、教えてください。

いろいろなところで、聴いてくれる人の顔をきちんと見て、唄っていきたいですね。呼ばれれば遠方にも配達したいし、あと定期的に配達できる場を持とうかなと思っています。シンプルに音とことばをあちこちに運びたいです。

ホームページでもライヴの告知はしていますので是非遊びに来てください。

【関連リンク】
:::::: G.RINA ::::::(漂流上手発売記念大刷新!)
G.RINAさんのBLOG
ANGEL'S EGG
DISC SHOP ZERO(G.RINA作品を含め今回紹介したG.RINAさんとコラボしたアーティスト作品も扱っています)
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