アイドルの憂鬱
――タイムリーな事に、9月29日には『C-C-BメモリアルDVD』が、な、なんと4枚組で未発表ライヴや歌番組の映像を収録してリリースされるようですが、TVなどに出演しながらも、C-C-Bは確か当時凄い数のライヴをこなしていたんですよね。もう、どこにいるか分からないって感じだったのでしょうか?まさにそうです。鹿児島で野外イヴェントがあり、C-C-Bが登場すると同時に会場は総立ちになりました。そこで何を思ったか渡辺君がいきなりこう叫んだのです。「沖縄のみんなー元気かー?」皆目が点になったのですが、そのぐらい猛烈な忙しさでした。もう暑いというだけで、沖縄も鹿児島もいっしょくたになってしまったのです(笑)。決して渡辺君を責めることはできない異常な忙しさだったわけです。
――当時、ファンレターやプレゼントの数などからして、一番人気があったのは誰なのでしょうか? 関口さんのファンは、どのような方が多かったのですか?
多分、笠君だと思います。やはり彼がC-C-Bの顔ですね。どっちかというと僕は、プロレスで言えば完全にヒールの役だったのです。コンサートのMCで、アイドルは決して言わないような毒を吐き、それを笠君がフォローすることによって、彼がよりかわいく見えたという構造があったのです。僕のファンはかなり変わった方が多かったと思います。とにかく過激な人は皆僕のファンでした。あるアイドル雑誌で「アイドルだってセックスくらいしますよ」と言ったのは、僕が始めてです(笑)。
――C-C-Bが人気絶頂の中、関口さんは1987年に脱退されますね。今風に言えば、卒業でしょうか? 同年の関口さんの著書『ホテル。』(「。」がついているのは、先見の明ですね)でも、C-G-B(コナゴールドボーイズ)というバンド名でのアイドル・バンドの悲哀を描いた物語が収録されていますが、やはり、アイドルのストレスたるもの、壮絶なのでしょうか? 何が一番、厳しかったのでしょう?
普通ありえないストレスを、人気アイドルは皆感じているのではないでしょうか。今、テレビで明るく楽しくモー娘。が歌ったり踊ったりしているのを見て、切なさを感じることができるのは、そういった体験をしてきた僕だから言えることなのかもしれません。だって、四六時中笑っている人間なんかいるわけないじゃないですか。あの厳しい環境に中学生の女の子が耐えているかと思うと、本当にかわいそうな気持ちになります。逆に、あんなに若いのにプロフェッショナルなだぁ、と感心させられます。きっと今のアイドルは精神性が高いのでしょうね。プライベートでも付きまとうカメラマンが平気でいるわけです。それだけでもかなり異常な環境だとは思いませんか? どんな人間にもある程度のプライベートは必要だと思います。でもよく言うけど有名税ということでしょうがないともいえますよね。それをストレスだと言っていた僕は、その後エゴの塊となって暴走したのです。そこらへんは小説で発表したいと思います(そのうちね)。