渋谷系の人たちにも人気がある80年代から活動するベルトラン・ブルガラは、エールなどのフレンチ・ヌーヴェル・ポップのルーツではないか。輸入盤もありますが、これはフレンチ系に強いatelier L'APPAREIL-PHOTOからリリースされた一応日本盤『initial B.B. the genius of BERTRAND BURGALAT』(2000年)。エールの「Sexy Boy」のリミックスとかもしており、フレンチ・ヌーヴェル・ポップを調査研究していると、この人に行き着いてしまった。ladytronのクラフトワークへのオマージュ曲「He Took Her To A Movie」のリミックスも収録。
ニューウェイヴ・リヴァイヴァル系エレポップを、もう少し紹介しましょう。ダフト・パンクがさらに下世話に、80年代的デジャブ現象が起こったような(これって、最大級の誉め言葉)、ガレオン(Galleon)のデビュー・アルバム『Galleon』(2002年)。リンクされているアメリカ盤では、「So I Begin」にタイトルを変更。PhillippeとGillesからなる2人組。フィルター・ハウスというより、カイリー・ミノーグとかにも近い超キャッチーなフィルター・ポップ。ヴォーカルが、もろポップ・シンガーなんです。中ジャケでも、「80年代のポップ・ロック・バンドをリスペクト」なんて書いていますから、ホントに80'sエレクトロポップ好きなんでしょう。
こちらは、ほとんどエレクトロクラッシュ的と言いたい、コスモ・ヴィッテリ(Cosmo Vitelli)の『Clean』(2003年)。プロデューサー、リミキサーとして活躍するBenjamin Boguetのソロ・プロジェクト。コスモ・ヴィッテリとは、 ハリウッドのSunset Boulevardにあったストリップ・クラブのオーナーの名前。「Party Day」では、80年代エレクトロポップ、具体的に言えば、Visageの「Fade To Grey」に明らかにルーツを感じ、「Robot Soul」「People Should Think, Machines Should Work」「Be Kind To The Machines」などの曲では、クラフトワーク~ゲーリー・ニューマンに通じる機械へのオブセッションを感じ取れる。