テクノポップ/海外のテクノポップ

フレンチ・ヌーヴェル・ポップ(4ページ目)

エール、タヒチ80に始まり、イェ・イェ、ガレオン、コスモ・ヴィッテリ、フェニックス、メロウと続く、様々なジャンルを取り込んだフランス発再構築型ポップの世界を探訪。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

渋谷系の人たちにも人気がある80年代から活動するベルトラン・ブルガラは、エールなどのフレンチ・ヌーヴェル・ポップのルーツではないか。輸入盤もありますが、これはフレンチ系に強いatelier L'APPAREIL-PHOTOからリリースされた一応日本盤『initial B.B. the genius of BERTRAND BURGALAT』(2000年)。エールの「Sexy Boy」のリミックスとかもしており、フレンチ・ヌーヴェル・ポップを調査研究していると、この人に行き着いてしまった。ladytronのクラフトワークへのオマージュ曲「He Took Her To A Movie」のリミックスも収録。

ニューウェイヴ・リヴァイヴァル系エレポップを、もう少し紹介しましょう。ダフト・パンクがさらに下世話に、80年代的デジャブ現象が起こったような(これって、最大級の誉め言葉)、ガレオン(Galleon)のデビュー・アルバム『Galleon』(2002年)。リンクされているアメリカ盤では、「So I Begin」にタイトルを変更。PhillippeとGillesからなる2人組。フィルター・ハウスというより、カイリー・ミノーグとかにも近い超キャッチーなフィルター・ポップ。ヴォーカルが、もろポップ・シンガーなんです。中ジャケでも、「80年代のポップ・ロック・バンドをリスペクト」なんて書いていますから、ホントに80'sエレクトロポップ好きなんでしょう。

こちらは、ほとんどエレクトロクラッシュ的と言いたい、コスモ・ヴィッテリ(Cosmo Vitelli)の『Clean』(2003年)。プロデューサー、リミキサーとして活躍するBenjamin Boguetのソロ・プロジェクト。コスモ・ヴィッテリとは、 ハリウッドのSunset Boulevardにあったストリップ・クラブのオーナーの名前。「Party Day」では、80年代エレクトロポップ、具体的に言えば、Visageの「Fade To Grey」に明らかにルーツを感じ、「Robot Soul」「People Should Think, Machines Should Work」「Be Kind To The Machines」などの曲では、クラフトワーク~ゲーリー・ニューマンに通じる機械へのオブセッションを感じ取れる。
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