テクノポップ/海外のテクノポップ

フレンチ・ヌーヴェル・ポップ

エール、タヒチ80に始まり、イェ・イェ、ガレオン、コスモ・ヴィッテリ、フェニックス、メロウと続く、様々なジャンルを取り込んだフランス発再構築型ポップの世界を探訪。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

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世紀末から盛り上がりを見せたダフト・パンク(Daft Punk)とエール(AIR)に代表されるフレンチ・タッチ・ブーム。大雑把に分けると、ダフト・パンクを筆頭とするフレンチ・ハウス、特にフィルター・ハウス系のダンス・ミュージック志向が強いタイプが、あります。2001年に記事を書きましたが、その周辺では、Cassius、Modjo、Bosco、Grand Popo Football Club(GPFC)、Gwingo、Superdiscount、Dimitri From Paris、La Love Machine、《rinôçérôse》、Cosmo Vitelli、Benjamin Diamond、マドンナのプロデューサーでもあるMirwaisなどですね。ジャケ写のatelier L'APPAREIL-PHOTOがコンパイルした『De La Musique』(2002年)は、この系統の音源を押さえた優れコンピです。

もう一つのタイプは、エールとタヒチ80(tahiti 80)を筆頭とする、ソフトロック、サイケデリックロック、クラシック・ソウル、ギターポップなども咀嚼したポップ・エレクトロニカ(ポップトロニカ)~インドアポップの流れです。この辺をフレンチ・ヌーヴェル・ポップと呼ぶ事にします。ただ、人脈的にも、フレンチ・ハウス系の人たちとも交流があり、また、エールとタヒチ80の間は結構広いわけで、かなりファジーな定義だと考えてください。フレンチ風味というのが、そこはかとなくあるんですが、アメリカ、イギリスなどの影響も強く、英語歌詞でのリリースが基本となっています。

先ず、最初に紹介するのはサントラ『Lost In Translation』(2003年)。これは、エールを起用した「ヴァージン・スーサイズ(The Virgin Suicides)」に続くソフィア・コッポラ監督作品映画のサントラ。映画は、アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞。日本では2004年4月17日より全国順次ロードショーされますが、サントラを聴いていると、とってもとっても見たくなる。

オリジナルの輸入盤のジャケ(右)は、ホテルで冴えない顔をしたビル・マーレーなんですが、日本盤(ボーナス追加)では、スカーレット・ヨハンソン。確かに日本人的にはこっちですね。My Bloody Valentineのケヴィン・シールズによる4曲や、はっぴいえんどの「風をあつめて」という意外な選曲にも目が行きますが、エールの「Alone In Kyoto」とフェニックス(Phoenix)の「Too Young」といった今回のテーマであるフレンチ・ヌーヴェル・ポップ的選曲に注目したいですね。

アカデミー脚本賞受賞!東京を繊細に描いたソフィア・コッポラ監督の最新作をレビュー!
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