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アーティスト・インタヴュー~Part 19 SOYUZ PROJECT~福間創さん(3ページ目)

デビュー・アルバム『Electtrico Strada』を1月21日にリリースしたばかりのSOYUZ PROJECTの福間創さんに直撃インタヴュー! P-MODEL時代から現在に至る濃~いお話をして頂きました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

――2001年にSOYUZ PROJECTを結成。ライヴ(評判いい!)での活動や3枚のプレ・リリースの経て、2004年の1月21日についにファースト・アルバム『Electtrico Strada』をリリースされるわけですが、今回のリリースにこぎ着けるまでの苦労話などありましたら教えてください。

結構苦労しました。それは社会の逆境というか(笑)、難しかったですね。ヤプーズでの活動も並行していたので時間がかかりました。動きたいのに動けない。でも焦らずに、経験値を積んでと。こう、どこに収めていいのかわからない、いわゆる似たような人が既存してないので難しい、ということをいろんな業界の人に柔らかく言われました。でも、それはメンバー皆良い風に解釈してましたが、正直悩みました。要するにその人達にとっては価値が無かったわけですよね。少しのお金にもならないのです。

SOYUZを結成した時に、どこかの街の路地裏にあるような、そこまで行かなきゃ味わえない通なフレンチレストランをオープンするのか、都内に数店舗あるまぁそこそこのわかる人にはわかるイタリアンにするのか、逆に知恵を出して前向きに諦めコンビニで売ってる割にはいい味してんなってとこで勝負するのか、既存の選択肢の中で微妙な所を寄せ集め無国籍料理作って勝負するのもいいでしょう。結局そこにお客さんからお金を頂く価値があるならどれでもいいわけで、そういう事を話し合った記憶があります。じゃぁおれらどこにしようか?全く知らない人がこの値段で食べてくれるかなって(笑)。

とりあえずいちげんさんお断りな気持ち悪く病的な閉じる方向はやめよう、まずはせめて社会の中で自分の存在を少しでも示せればよいんだと。だって、どういう道にせよ、表現するのが楽しく、更にお客さんが美味しいと言ってくれたら基本的にはそれで嬉しいですもん(笑)だから、これからです。

――今回のアルバムを聴かせてもらい、凄く吸引力を感じました。今のクラブ・サウンド上のテクノ~エレクトロとして成立していながらも、テクノポップの時代からの"ポップ"な遺伝子が見え隠れしますね。「SPRING ECHO」や「EXSIZER」などは特に。やはり、ヴォコーダーやアナログシンセの80年代的テクノポップがその源流としては、あると考えていいのでしょうか?

TRACK LIST:
[cluster#A]
01. TEST TONE
02. SPINA
03. OVER FLOW
04. SPRING ECHO
05. KEIBA KAV
06. CALLING FROM "AKIBA" STREET
07. TENSOU2
08. EXSIZER
[cluster#B]
09. TEST TONE(Frequency Mix)
10. KEIBA KAV(Outright Mix)
11. EXSIZER (VOYAGER Mix)
12. CALLING FROM "AKIBA" STREET(Spiraling Mix)


それは嬉しいです。そのバランス感覚を取ることを、まずは僕らの【スタンス】として持とうと話し合いました。そして今回のアルバムコンセプトのひとつにしようと。ライヴでの表現もその点が大切ですし、重要です。じゃないと4人でわざわざライヴやる意味が無いんですよね。

前述の質問の答えの延長になりますが、その逆境の中で前向きな案としてメンバー皆で考えました。曲目に[cluster#A]と[cluster#B]と表記して、意思表示を軽くしてます。メンバーは世代的にテクノポップが大好きだったし、その後の所謂マンチェやクラブカルチャー、テクノムーブメントも体験してきたわけですから、これが自然な形といえばそうなんですよね。

当初は難しく考えすぎていたと思います。今回はあえて難しいことはせずに表現できた曲達を収録しました。正直満足行かない部分も多数ありますし、中には結成当初の古い楽曲も多いのですが、結果的にそのように感じてくれた事を非常に嬉しく思います。

――SOYUZ PROJECTのメンバーは皆さん、曲作りされるようですが、4人のメンバーは、どのように役割分担をされているのでしょう?

福間、山口(兄)、MOMOが音に関しての基本的なコンセプトから具体的な音の仕上がりまでを担当します。専用のサーバーでデータをやり取りして徐々に形にしていきました。付き合いが長いからこそ顔を合わせた共同作業をせず、合理的に進めて行けたと思います。

ですが、テクノと言っても皆それぞれに得意分野があり、個性がありますから、そこを上手くまとめていく部分、実際に顔を合わせて意見を言い合う場を作る、という意味も含め今回は最終的にProtoolsを使用し、皆で集まりトラックダウンしました。

加えて山口淳二の役割ですが、彼は僕らのイメージから人間性まで(笑)十分理解してくれていて、僕らも彼のセンスには毎回驚かされます。本職はデザイナーですが、SOYUZではWEBコンテンツやジャケット・デザイン、ライヴでのモーショングラフィック等、目に映る表現を担当しています。前述した通り、SOYUZで表現する場合はその点も重要なのでデザイナーである山口淳二もメンバーとなっています。
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