■DJ Time
50分遅れとの報道がありますが、正確には謎のサングラスのロシア人DJによるDJタイムが6時45分にスタートし、30分以上延々と続いた言うべきでしょう。DJって誰なんだ? 調べてみますと、ロシアでも3本の指に入るらしい、DJ Spiderとの事。鉛筆削りやタトゥー・ガールズが地面に寝転がっているシュールな映像をバックに、ハウス~エレクトロニカ系のトラックが続いていく・・・どう反応していいものかという不思議な空気が、客席に流れます。最初の曲では「Can you hear me~」と歌っているが、聴いた事の無い曲。酷評する人もいるでしょうが、ある意味で、タトゥーらしいイントロと言えるでしょう。個人的には、ここはストレートにタトゥーのリミックスでいなしてもよかった思います。
■All The Things She Said
1曲目から、デビュー曲です。花火(スーパーフラッシュと言うんですかね)が2発打ち上げられます。今回、メジャーのアーティストとしては異例のカメラ持込を全面的に許可。携帯にデジカメが付いて、実質的な取締りが出来なくなっている昨今・・・観客側の問題として撮影大会になってしまうのも本末転倒ですが、アーティスト側の試みとしては評価します。
■How Soon Is Now
ステージを囲むように、5つの巨大スクリーンが設置されていて、仕掛けは豪華です。映像は、見知らぬ若い女と男が戯れる、意味深でちょっとヤバめ。
■Show Me Love
「こんにちは!」とちゃんと挨拶してくれます。2人はヴィデオ・カメラを担ぎ、お馴染みの撮影隊になります。当然、スクリーンは2人のカメラ撮影映像。ジュリアは、「キスしないとコンサートやめるよ」とステージ近くの観客を挑発。ジュリアらしいなと思いながらも、またあげつらうには格好の標的です。
■30 Minutes
ここで、初めてプロモ・クリップを使用。爆弾娘ジュリアとメリーゴーランド熱愛娘レナのクリップです。
■Stars
僕の記憶が正しければ、これはロシア語でやった(そうメモっている)。日本語歌詞訳が、スクリーンに大きく映し出されます。
■Prostye Dvizhenia (Simple Motion)
ロシアでのみリリースされた、ジュリアの目が飛んでしまっている自慰シーンのプロモ・クリップ。オリジナルはPG-13レベルですが、こちらはアウトテイクの初公開でジュリアの上半身が全面的に映し出されるR指定レベル。小学生を連れてきたお母さんが、ドギマギして「見ちゃダメ」と・・・
■Malchik Gay
「東京サイコー」と叫ぶ2人。これは、海外のライヴでもやっている曲です。
■Clowns
スターリン、レーニンから始まる、歴代の世界の政治家がスクリーンに映し出されます。そして、彼らの顔に落書きが施されていく・・・でも、別に政治的に意図は感じられない、イワンらしい映像。
■Ne Ver, Ne Bojsia
Eurovision 2003エントリー曲。「信じるな、恐れるな」、これもロシア語歌詞と言う事もあり、日本語歌詞訳が、スクリーンに映し出される。
■Not Gonna Get Us
後半の盛り上がり場面です。花火が4度打ち上げられ、最後は写真のようなキラキラ花吹雪。タトゥーの口パク疑惑がありますが、今回聴いている限り、ほとんど肉声で歌っていました。歌うパートのせいもあるでしょうが、レナの方が声が出ていたと思います。この曲の出だしとか、一部の高音部はバック・トラックがあったはずですが。
■Nichya
この新曲はコンサートで披露するとレコード会社に知らされていなかったとの報道が夕刊フジでありましたが、どうなんでしょう? 既に「Nichya」という新曲の存在とデモらしき音源は出回っていたので、青天の霹靂ではないでしょう。ちなみに、タトゥーの初期の名曲を作詞したタトゥーの母と呼ばれるエレナ・キーペルですが、彼女がオレク・ボルシェフスキーと結成したユニット名もNichya。そして、デビュー・シングルも『Nichya』。その意味は、「誰のものでもない」。エレナがイワンに捧げるために元々作った曲らしいですが、2つの「Nichya」が出てきて、「加勢大周」状態です。タトゥーの新「Nichya」はバラードですが、エレナの「Nichya」の方がエッジのあるデビュー時のタトゥー・サウンド。歌の終盤で、8つの大きなゴム・ボールが放たれます。
■Not Gonna Get Us(Remix)
こちらは、リミックス・ヴァージョンですが、聴いた事の無いリミックス。花道で待機していた約150人のタトゥー・ガールズが、ステージでタトゥーと共演。ちなみに、会場にはタトゥー・ボーイズもいたようです。タトゥー・ガールズの1人とお話したところ、彼女は顔ほころばせて、タトゥーとの共演に感激していました。
■Remix
タトゥー・ガールズが花道から退場。
今回のタトゥーのライヴ・・・改善点もありますが、変動するロシアという未知の国から来たアイドル・エンタテイメントとして見ると、十分楽しめました。タトゥー・ギャラリーに掲載した写真を見てください・・・彼女たちは、意外にも無垢で生き生きしています。今回のライヴを見て、タトゥーが好きになったという人達がいるのも事実です。東京のみ、ドームという大きすぎるハコ、値段設定(S席¥7,500、A席¥6,500)、短かったライヴ時間(2日目はトークで延長したようですが)に対しては確かに注文もあります。でも、この逆風が吹き荒れる中、記憶に残るライヴをやってくれたと評価します。でも、芸能界的狂想曲は、この辺で終わりにしてもいいのでは? 信じるな、恐れるな・・・