ブートレグの分類
■カウンターフィット(counterfeit)
これは、バッグや時計のブランド物のニセモノに対しても使われる言葉。所謂、コピー商品です。全てがそうとは限りませんが、本物と間違えて買うことを想定した商品です。レコードの場合、もとの正規レコードがあって、それにジャケも収録内容もそっくりという代物。中国で、200円程度の値段がついているCDは、まずカウンターフィットでしょう。でも、ジャケを良く見ると、印刷が荒かったり、中のCDラベルが安っぽかったりして、怪しい。騙されないように。
■パイレーツ(pirates)
日本語の海賊盤の元となった言葉でしょう。これは、そっくりというよりも正規盤からの寄せ集め音源などで、新しく作ったコンピレーションのようなものが多い。中には、未公開音源を一部収録している場合がある。どこかで見たような写真などを使った、結構、いい加減なジャケが多い。ロシアで売っている怪しいタトゥーのコンピレーションは、このパイレーツが多いでしょう。
■ブートレグ(bootleg)
狭義のブートレグ。典型的なのがライヴ・ブートレグ。発売されていないライヴ音源や未発売音源(デモなど)をもとに作ったレコード。マイナーなアーティストよりもやはりビートルズに始まる、有名どころに多いですね。例えば、クラフトワークの1998年の赤坂ブリッツでのライヴを収めた『WERKING HOLIDAY』とか。
■ホワイト盤(white label)
クラブ系の12インチに見られる、白いジャケに白のレーベル・シールの無印良品(良品とは限らない)のようなレコード。でも、白とは限りません。ここでいうマッシュ・アップを含めたバスタードポップ、アーティストに頼まれていないのに勝手に作ったリミックスやサンプリングが大胆な音源に対して出回っているホワイト盤もある。限定500枚とかのリリースが多いです。今回のバスタードポップ系ブートレグは、このホワイト盤およびネット上のものが中心ですが、中にはジャケまでブートしたものがあります。
■偽プロモ盤(fake promotion copy)
プロモ盤を装っているブートレグもある。本当にプロモ盤のケース(判別がつかないものもある)もあり得るのだが・・・でも、正規でもプロモ盤が売っていると言うのはどういう事なんでしょう?
■ブート・オブ・ブート(boot of boot)
ブートレグ音源を集めて作られた、コンピレーションというかオムニバス。ブートのブート又はブートのパイレーツである。オリジナルのブートレガーの許可を取っているんでしょうか?
以上は、現状を把握するための記述でブートレグの購入を助長する目的ではありませんので、ご理解ください。こんな、日陰者・裏社会的イメージがあるブートレグの世界ですが、バスタードポップや手法としてのマッシュ・アップは、アンダーグラウンドからオーヴァーグラウンド、そしてメジャーへと昇格しているものもあります。