さて、ノイエ・ドイチェ・ヴェレ(Neue Deutsche Welle)とは? 訳せば、「新しいドイツの波」つまり「ドイツのニューウェイヴ」ですね。「NDW」と略されることも多いです。このノイエ・ドイチェ・ヴェレの定義に関しては異なった意見が存在しますが、集約してみると・・・
■ドイツにおいて、ドイツ語で歌われたポップスは「Schlager」と呼ばれた。しかし、パンク~ニューウェイヴ的なものがドイツ語で歌われることはまれであった。ドイツでのドイツ語での歌唱を中心としたニューウェイヴがノイエ・ドイチェ・ヴェレ。
■初期のノイエ・ドイチェ・ヴェレは、DAF、Der Plan、ノイバウテン(Einsturzende Neubauten)、Die Krupps、パレ・シャンブルグなど又はAta TakやZick Zackレーベル系アーティストなどに代表される実験的かつポストパンク的な色彩が強かったが、次第に商業的な意味合いが強くなり、ネーナ(ジャケ写は、WIREの常連であるWestbamがネーナをフィーチャーした2002年のシングル『Oldschool, Baby』で『WIRE03 Compilation』にも「Wire Mix」が収録)やHubert Kahに代表されるメジャーなアーティストなどにもこの呼称は使われるようになる。しかし、日本ではより実験的なドイツものを中心にノイエ・ドイチェ・ヴェレと呼ぶ傾向がある。この形骸化現象は、ニューウェイヴ全般についても同じことが言えるでしょう。
■結果として、ドイツの本来の実験的革新的ニューウェイヴ勢に対して、この呼称を使うことに抵抗があることも確かである。ノイエ・ドイチェ・ヴェレの呪縛である。
数少ないノイエ・ドイチェ・ヴェレに関する日本盤として、1982年に東芝EMIからリリースされた、ずばり『Neue Deutsche Welle』というオムニバス・アルバムがあります。、比較的商業系ノイエ・ドイチェ・ヴェレ系バンドを集めている。FehlfarbenはAta Takだから、そうとも言い切れないですが。個人的に好きなのは、Grauzone、Neue JugendとMonopol。
A1. Rheingold: Dreiklangsdimensionen
A2. Fehlfarben: 14 Tage
A3. Neue Jugend: Nur Mut
A4. Spider Murphy Gang: Skandal Im Sperrezirk
A5. Grauzone: Eisbaer
A6. Monopol: Gib Liebe Her
B1. Rheingold: Fanfanfanatisch
B2. Fehlfarben: Feuer An Bord
B3. Neue Jugend: In Weimar
B4: Spider Murphy Gang: Wo Bist Du
B5. Grauzone: Traeume
B6. Monopol: Anarchie
◆Neue Deutsche Welle
『Verschwende Deine Jugend』(2002年)は・・・そのタイトル意味は「あなたの青春を無駄にしろ」って感じです。DAFのアルバム『GOLD UND LIEBE』に収録されていた曲のタイトルを拝借したのでしょう。「ドイツのパンクとニューウェイヴ(1977-1983)」という副題がついています。Jürgen Teipelという人が同じタイトルで本も書いています。Ata Tak系などのドイツのニューウェイヴ(初期パンク的なもから所謂ノイエ・ドイチェ・ヴェレ的なものも多し)ものがぎっしり49曲詰まった2枚組。ブックレットにもバンド紹介とかいろいろ書いてあるんすが、ドイツ語読めないのが残念ですが、シーンの大局をつかむ上ではとても充実した内容です。
曲数が多いので、バンド名だけでもリストします。
Mittagspause / Male / S.Y.P.H. / Neonbabies / Habs-A-Plast / KFC / Due Fehlfarben / Östro 430 / Ede Und Die Zimmermanner / Der Plan / DAF / The Wirtscheaftswunder / Pyrolator / Frieder Butzmann / Mania D. / Einstruzende Neubauten / Abwarts / Horst Herold / Der Lachende Papst / Die Radierer Angriff / ZK / FSK / Palais Schaumburg / Andreas Dorau & Die Marinas / Die Krupps / Die Todliche Doris / Malaria! / Tommi Stumpff / Liaisons Dangereuses / Xao Seffcheque / Die Toten Hosen