「android 69」開催を記念して、今回のイヴェントのオーガナイザーでもあるVenus Fly Trappことユキ・カワムラさんにインタヴューいたしました。
――先ずは、「andorid 69」というイヴェント・プロジェクトを立ち上げた理由を教えてください。日本の主流クラブ・シーンに対する反動でしょうか?
90年代後期に様々な東京のハウス・テクノを中心としたパーティを遊び歩いておりました。毎晩のように違った派手な格好をして、周囲では様々な職業の人達が一緒に遊んでくれました。ファッションデザイナーから、歯医者、SM女王様、弁護士、芸能人など、みんなが音楽なんかそっちの気で適当に遊んでいるのが楽しくて仕方なかったのです。
でも数年前から、何となく状況が変わってゆきました。DJを拝むような独特の潮流、まるで勉強会のような雰囲気、、、。私は音楽と同じようにクラブ遊びが好きだったけれど、何かが変わっていったのです。そこで昨年に心を決め、全ての気持ちを乗り越えて、この"android 69"をスタートさせました。期待と諦めに溢れた独特の感触のイベントを、自分の今までのコネクションを使ってどこまで実現出来るのか挑戦してみたかったのです。まさに、主流クラブシーンへの甘い復讐そのものなのです。
――今回はジゴロのTerence Fixmerを招かれていますが、DJ Hell及びジゴロ系のアーティストに対する共感が強いのでしょうか? DJ Hellとのご面識は?
取材旅行で訪れたベルリンでDJ Hellに会った時に、彼は私のアートワークを気にいってくれて、"東洋のFischerspooner"と評してくれました。その後も交流は続き、今年のWMCでも再会する予定です。Terence Fixmerもベルリンの友人の紹介でディナーをしたり、何かと周囲の友人達が次から次へと繋いでくれたんですね。ジゴロはコンセプトも好きだし、これからもプッシュしたいレーベルのひとつです。音楽に皮肉と夢がなければツマラナイですよね。
――トランス・セクシャルという点では、Chris Kordaとの接点が考えられますが、いかがでしょうか? ぜひ、Kordaさんを招いて欲しいです。
実は彼女とも交流があり、今年中には招聘を実現させる事が出来るかもしれません。
――11月のイヴェントでは、ニューウェイヴ全盛時のキッチュなファッション感覚を備えたChicks On Speedを呼ばれていますね。「FLOOR」誌の対談では、とても相通じるものを感じておられるみたいですね?
当初、川崎に完成した商業施設"La Cittadellaのオープニングパーティのプロデュースを頼まれて、ファッションとリンクしたアーティストをセレクトしようという事で、Fischerspoonerを招聘しようとしたのですが、実現が難しく、COSにしました。彼女達とは共通の友人も多く、一緒に「Glamour Girl」を歌ったり、楽しいステージを繰り広げる事が出来ました。